《side晴斗》離反、抗いの末に
「どうして?」
大天上神が晴斗に問いただした。
晴斗が呟いた”父親に会えない”理由を聞く為だ。
その問いに対して晴斗は俯いたまま口漏らす。
「俺は・・・親父に会う資格なんて無いんです」
「何があったんですか?」
神が彼に問う。
「そうだな・・・結構前の話になるか。親父と喧嘩したっきり会えなくなっちまったんだ」
「・・・・・・昔から俺は親父を見下していた、見下していたんだ。
生まれつきこの力を持っていた俺の方が上なんだ、ってさ」
晴斗が自らの顔を押さえ、苦悶の声を上げる。
「その力が使えるってのに気付いたのは、四歳頃親父のクリエイトを
見様見真似でやってみた事がきっかけだった」
彼は自分の過去を辿って行く。悔いながら。
「凄いじゃねーか!なぁ母さん、晴坊クリエイト使えるぜー!」
そこに浮かぶのは父、遥の声だった。自宅の庭でその力を見た彼は
思わず感嘆した。
「そんなにすごいの?」
幼き頃の晴斗が父親に聞いた。その問いに対し遥は晴斗の肩を抱き、
クリエイトの力を説明する。
「いいか晴坊、その力はクリエイトと言うんだ。そいつぁ使う人の
心に左右されてしまう」
「へへ、難しい話だったかな」
晴斗はいつの間にか閉じていた目を開き、深く息を吸い、吐く。
「・・・見えていたか?俺の回想シーン」
「ええ」
神が晴斗に告げる。
「全く、あまり良い趣味では無いが説明が省けて楽だ。それで、
それから俺は親父にクリエイトの使い方を学んだ訳だ。
だが、それだけで済めば良かったんだがなぁ・・・俺にも複雑な時が
あったんだ」
晴斗は5年前の事を思い出しながらその時の事を説明する。
「あの日、お袋が事故にあったんだ。危篤状態って言われてなぁ、救いたいと
思ったんだが俺はその時は1日一回のクリエイトを使っちまってた」
「悔しかった。俺が不甲斐無いばかりにこんな事になっちまって、しかも
お袋を治したのは親父だったさ」
晴斗の身を案じて神が声をかけようとするが、大天上神が制止し、
晴斗に話を続けるよう命じた。
「・・・・・・親父に勝てないのが苦しかった、と思ってた。それから俺は家を飛び出して
しまったんだ」
「それで、池袋辺りで金もねぇのにフラフラとほっつき歩いて、
手当たり次第にチンピラをボコボコにしてた訳だ」
「それで、携帯だけ持ってたんでいっつもお袋から電話を掛けてきて、
うるさい程度に思ってたがある日親父から電話があったんだ」
「クリエイトとかで伝えられるだろうし俺は連れて帰れるだろうと思ってたんだが、
な・・・・・・」
再び晴斗がその時の事を思い浮かべる。
その彼の瞳からは涙がこぼれ落ちた。




