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因果律のレイン  作者: テンペスティア
A.C.L 序
59/76

《side晴斗》神の御所

 「ふーん、スイスで臨時航空機が離陸、ですかぁ・・・」


 佐伯邸にてパソコンを使用して今日のニュースを響が見て、

 不意に呟いた。

 そこに居合わせた雨音が興味を示し、彼女に駆け寄る。


 「どしたのどしたの!?」


 「いや、鬼原さんがスイスに調べ物をしに行ったと聞いて少し

  気になっちゃいましてね」


 雨音がほぉ、と感嘆の声を漏らす。


 「皆さん、無事でいれば良いんですけれど・・・・・・」


------------------------------------------------------------------


一方、そのスイス発の臨時航空機にて、朝江らが帰路に立っていた。


 「もうすぐ帰れるね。二人共お疲れ様」


 鬼原が朝江、ヘルマンに声を掛ける。


 「いえ、僕は何もしていないし・・・そろそろ睡眠を取った方が

  良いですよ」


 ヘルマンが自負しつつも、自分より疲労が蓄積しているであろう

 彼女らを労う。なお、彼自身は機内食にありついている。

 しかし、朝江は一つ納得の行っていない事があった。


 「荻晴斗さんはどうしたんですか?」


 「ああ、彼は調べたい事がある様で、それっきり会えていないんだ」


 鬼原が上空を見て、呟いた。


 「何しているんだろうねぇ・・・」


----------------------------------------------


 話は数日前に遡る。晴斗は鬼原達と別れて、とある所に

 向かおうとしていた。


 「場所についての想像は少し自信が無いが・・・クリエイト」


 彼がそう言うと、その体が瞬時にこの”世界から消え”、

 ある場所へ向かっていた。


 それは・・・死後の世界。

 晴斗は、いや・・・晴斗の父親は知っている。この場所を。


 「また死者が出ましたか~。って・・・遥さん!?」


 「違う。俺は晴斗、荻晴斗。荻(はるか)の息子だ」


 晴斗が眼鏡を掛け直す。

 その姿を見せ、そこにいた美しい容姿の神であろう者が少し

 安心した素振りを見せた。


 「てっきりまた死んでしまったのかと思いました。それで、

  何のご用件ですか?その様子だと死んだ、と言う風には見受けられませんが」


 「あんたが神様なら一つ注文がある。”大天上神”を呼んでくれ」


 晴斗が神、と思わしき彼女に指示をする。彼は無理だと見越して

 言ったつもりだったが、彼女は快く承諾した。


 「良いでしょう。ですが、今の様な話し方をしてはいけませんよ。

  全く・・・遥さんのご子息だからと言って好き放題言って・・・」


 ぶつぶつ言いながらその神様は札に筆を走らせ、それを天へ流した。


 「俺があいつの息子だって分かるんだな」


 「貴方は神と言う存在を軽視し過ぎです。その位、すぐに見目が

  付くのですよ」


 神様が頬を膨らませ、晴斗に言う。その姿を見て晴斗は少し笑った。


 「何を笑っているのですか!」


 「いや、何だか目の前にいるのが神様だなんて想像も出来なくてな。

  実感が湧かないんだ」


 神様がもう、と溜息を付いていると、この死後の世界のさらに上の世界から

 光が指した。


 「この光は・・・」


 「大天上神様が降臨なされました!!」

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