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因果律のレイン  作者: テンペスティア
A.C.L 序
55/76

《side朝江》スクランブル

 「姉さん、私、誤解していたの。彼女らはちっとも悪い人では

  無かった。誰かを守る為にずっと戦って、救い切れなかった命を悔む、

  そんな人達だった・・・」


 朝江は今日も姉の仏壇に手を合わせる。

 彼女が達成せんとする決意の心はより一層高まった。


 そんな時、朝江の携帯から電話着信のアラームが鳴る。

 電話の主を確認すると、そこには篠崎社長と書かれていた。


 「もしもし、招です!」


 「ああ、招君、今回は”実戦”、緊急(スクランブル)だ!!」


 「はい!」


 「今君の家の前に特別起動車が到着する。その車内で002の装着、

  発進が出来る。今すぐ用意してくれ」


 通話が途切れる。すると家の前に車両が停車する音が聞こえた。

 一通りの準備を終え、朝江が外へ出ると、そこにはかなりの大きさの

 ある巨大装甲車が佇んでいた。


 「招君、こっちだ」


 中から社長が顔を出す。彼に案内されるままA.C.Lのドッグへ移動する。


 「これは・・・?」


 「A.C.Ltype-r、実戦配備改良型人工因果律002だ。

  急ピッチで仕上げて来た。今の内に準備を」


 「それもそうですが今回の任務はなんですか?」


 「おっと、言い忘れていたか。今回はチューリッヒの

  ケーリアバーグ大学へ行って脱走した山本錫を追ってくれ」


 「質問ありすぎて何が何だか!!」


 「済まない。実はさっき山本錫が脱走したんだ」


 朝江がA.C.Lを装着し始める。社長がマイクを介し話を続ける。


 「理由は不明だが、研究員の一人に憑依?したみたいだ。

  それで、この装甲車のコンテナは遠征用射出シャトルになっている。

  そいつを使用して音速で目的地へ向かう」


 「それ私死にませんか?」


 「そのシャトルにもアンブレラ機能を付与している。

  衝撃、抵抗は軽減される」


 朝江はそれでも緊張し冷や汗が垂れる。


 「では射出するぞ」


 「お願いします!」


 彼女の声を聞いた社長が激励する。


 「良い返事だ。行くぞ!」


 「海外特別遠征、特殊外務許可。発進シークエンス確認。

  A.C.Ltype-r002α、β アンブレラ、レイン・・・発進!!」


 「うおおおおおおおお!!」


 そして、残された社長が彼女の状況をリアルタイムで確認する。


 「速度上昇、音速状態確認。さらに速度上昇、アンブレラシステム

  稼働残量56%・・・」


 「・・・目的地点到達を確認。002、リフトオフ!!」


 社長の操作によってシャトルがパージされる。そこから

 発進した朝江が着陸用に態勢を整える。


 人々が逃げ惑う大学。そこに彼女は舞い降りた。

 

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