《side朝江》スクランブル
「姉さん、私、誤解していたの。彼女らはちっとも悪い人では
無かった。誰かを守る為にずっと戦って、救い切れなかった命を悔む、
そんな人達だった・・・」
朝江は今日も姉の仏壇に手を合わせる。
彼女が達成せんとする決意の心はより一層高まった。
そんな時、朝江の携帯から電話着信のアラームが鳴る。
電話の主を確認すると、そこには篠崎社長と書かれていた。
「もしもし、招です!」
「ああ、招君、今回は”実戦”、緊急だ!!」
「はい!」
「今君の家の前に特別起動車が到着する。その車内で002の装着、
発進が出来る。今すぐ用意してくれ」
通話が途切れる。すると家の前に車両が停車する音が聞こえた。
一通りの準備を終え、朝江が外へ出ると、そこにはかなりの大きさの
ある巨大装甲車が佇んでいた。
「招君、こっちだ」
中から社長が顔を出す。彼に案内されるままA.C.Lのドッグへ移動する。
「これは・・・?」
「A.C.Ltype-r、実戦配備改良型人工因果律002だ。
急ピッチで仕上げて来た。今の内に準備を」
「それもそうですが今回の任務はなんですか?」
「おっと、言い忘れていたか。今回はチューリッヒの
ケーリアバーグ大学へ行って脱走した山本錫を追ってくれ」
「質問ありすぎて何が何だか!!」
「済まない。実はさっき山本錫が脱走したんだ」
朝江がA.C.Lを装着し始める。社長がマイクを介し話を続ける。
「理由は不明だが、研究員の一人に憑依?したみたいだ。
それで、この装甲車のコンテナは遠征用射出シャトルになっている。
そいつを使用して音速で目的地へ向かう」
「それ私死にませんか?」
「そのシャトルにもアンブレラ機能を付与している。
衝撃、抵抗は軽減される」
朝江はそれでも緊張し冷や汗が垂れる。
「では射出するぞ」
「お願いします!」
彼女の声を聞いた社長が激励する。
「良い返事だ。行くぞ!」
「海外特別遠征、特殊外務許可。発進シークエンス確認。
A.C.Ltype-r002α、β アンブレラ、レイン・・・発進!!」
「うおおおおおおおお!!」
そして、残された社長が彼女の状況をリアルタイムで確認する。
「速度上昇、音速状態確認。さらに速度上昇、アンブレラシステム
稼働残量56%・・・」
「・・・目的地点到達を確認。002、リフトオフ!!」
社長の操作によってシャトルがパージされる。そこから
発進した朝江が着陸用に態勢を整える。
人々が逃げ惑う大学。そこに彼女は舞い降りた。




