表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
因果律のレイン  作者: テンペスティア
A.C.L 序
50/76

行くべき場所

 「良く頑張ったね招君、私の名前はしっているかい?」


 「鬼原蓮・・・あの時姉さんと同じ場所にいたんだろう。

  何故助けなかった」


 「それは、もう手遅れだったんだ」


 鬼原が口走った瞬間、朝江が彼女の胸倉を掴む。


 「生き返らせる事位出来ただろう・・・あの男の力で!」


 朝江が今度は晴斗に矛先を向ける。


 「あの時はクリエイトは一日一回しか使用できなかった。

  誠に済まないが、俺達は山本錫の討伐を優先した」


 「結局倒せてないじゃないか!」


 朝江が晴斗に掴みかかる。それを止めまいとヘルマンが朝江を押さえる。


 「招、お前もお前だ。何故セヴェクにいなかった?」


 「それは・・・」


 「あの時、姉さんと喧嘩していたんだ。姉さんがショッピングモールに

  連れて行ってくれるって言ったのに、私はそれを拒んで姉さんだけを

  行かせてしまった・・・」


 「それが、あんな事に」


 朝江の目から涙が零れ落ちる。

 彼女の悔いが今の怒りを(たぎ)らせていた。


 「招、一つ言っておく。それは過去の事だ。お前は過去に生きていては

  いけない。今、自らの悔いを拭う為にここにいるんだ」


 「今なんてどうだっていい!ただ、姉さんを奪った羅刹を、

  因果律を消せればーーー」


 その時、朝江の頬を鬼原がぶった。


 「何をするんだーーー」


 「黙って聞けバカヤロ―!」


 「因果律の力が消えるとはどう言う事なのか分からないかっ!?」


 「今まで自分の身を守っていた力を失うんだ!」


 「現に佐伯君は心を、長谷川君は左目を失った!」


 「何故因果律が消えたか分かるか!?」


 睨みつける朝江の胸倉を今度は鬼原が掴む。


 「君達、普通の人達を守る為だ」


 朝江が鬼原の手を払う。


 「お節介なんだよ、人一人の命が救えなかった癖に

  偉そうな口を聞くな!」


 朝江はそう言い残すと彼らのいる休憩室を後にした。


 「参ったなー。ん?どしたの皆?フリーズしちゃって。

  処理エラー?」


 「怒ると怖い・・・ですね」


 「あはそんなに?照れるなぁ」


 「照れる所じゃねえだろ!」


 「それより荻君、君のクリエイトで彼女のお姉さんを復活させる

  位容易いだろう?」


 「それは可能だが、絶対にやらないぞ」


 鬼原が頬を膨らませ、文句を言う。


 「彼女の姉が帰って来たら、招はA.C.Lを捨てるだろう」


 「代替と言っては何だが、彼女は奇跡的に佐伯の因果律を

  使えたんだ。佐伯のいない今、そして002も未完成だ。

  彼女の力無くして復活した山本錫は倒せない」


 「今の状況もただの応急処置ですもんね」


 「あの男を倒せる力、一刻も早く探さなければ・・・・・・そうか」


 鬼原とヘルマンが同時に首を傾げる。

 晴斗は彼らに向かって別れの言葉を告げる。


 「じゃあな。ちょっと調べ物が出来た。クリエイト!」


 「あれ?どこ行っちゃったんだよぉ!」


 「鬼原さん、彼を一回倒したのって佐伯さんの”シャイン”でしたよね?」


 「ああ。だが、それを持ってしても彼の魂は残ってしまって今に至るんだ」


 「なるほど・・・。それで、鬼原さん。ちょっと来てくれませんか?

  ・・・スイスに」


-------------------------------------------------------------------------


 一方、朝江は帰り支度を整え、ある場所へ向かっていた。


 「次は、東十条・・・東十条・・・」


 駅から降りると、彼女は一目散に目的の場所へ歩く。


 「・・・・・・ここが、佐伯雨音の自宅ーーー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ