アンブラル
「ぎゃああああああ!・・・なんてね。僕には痛覚が無いんだ。
さてと、君達の儚い希望を乗せたノアの箱舟はどうなってる
ことやら・・・・・・」
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「よし鈴ちゃん、もうすぐ神下町だ!山本錫は恐らくだが
ここに来る筈だ!取敢えず佐伯君を起こして待ち伏せよう!」
「いやでも待って。佐伯さんのリヴァースはまだ解除された訳じゃーーー」
一旦車を止めて、二人は雨音を覗き見る。
すると、彼女はむくと起き上った。
「・・・もしかしてレインですか?」
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「あーーはっはっは!!いやー滑稽だねぇ。君達は彼女がまだ
僕のおもちゃである事を考慮してなかったんだね!」
山本錫が息を切らしながら高笑いする。
片目で響らを見ると彼女らは苦悶していないのは愚か、
笑みさえ浮かべていた。
「それはどうかな?」
「はい?」
「もう忘れたのか。佐伯の因果律」
「ああ、アンブラル?だっけ。でもさぁ、雨音ちゃはナノクオーツが
枯渇してるんだぜ?どう足掻いても絶望。どうもありがとうございました」
「って、そんな事言ってる場合じゃ無いね」
山本錫がそう言い残すと。全速力で彼らを掻い潜りつつ逃走し、
隠していたオートバイで神下町、鬼門山の方角へ走り去った。
「じゃいビーーーーーー!!」
「まずい、逃げられた!」
「ここは私と晴斗に任せろ。奴を追えるのは私達だけだ」
「そうでも無いぞ」
ヒドラこと名無寧々が不敵な笑みを浮かべながら懐から
札を取り出す。その札を空へ投げ、呪文を詠唱する。
すると、そらに大きな旋風が巻き起こり、巨大な鳥が現れた。
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「まぁ、雨音ちゃんが復活しようが何だろうが・・・
四楼が鬼門山に待ち構えているからね。どうしようも無いだろうがね」
「・・・四楼からの、反応が無い!?」
「私も、復活しているとしたら?」
バイクから降りた山本錫が鬼門山の麓を見上げると、そこには
腕を組んだ四楼の姿があった。
「何故、だ・・・?」
「暇だったからさっきクリエイトで復活させた!バーーーカ!」
鳳凰に騎乗した晴斗が高らかに叫ぶ。
「くっ、まさか・・・・・・!」
「ハーモニクスも進化していたみたいだねぇ」
同じく麓から鬼原は降りてくる。
それに続き鈴も降下し始める。
「事はピタゴラスに、かな?ダゴンの進化したハーモニクスの
効果は、相手へのナノクオーツの供給」
「お、おい待って!つまりそういう事なんですか!?」
「ええ。つまり、そういう事よ」
四楼の傍らから現れたのは、”復活”した雨音だった。




