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因果律のレイン  作者: テンペスティア
Rain of Causality Law
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動機

 雨音が研究所へ通報してから程無くして研究員が数人やって来た。


 一部の研究員は男らを拘束し、他の研究員は廃ビルに残っている

 雨音の"レイン"の痕跡を見ていた。


 レインを発現した後、男らが気絶したと同時にアンブレラ、レインが

 急に消えた。恐らくその力は雨音の意識と直結しているからだと彼女は考察する。


 雨音は自身のレインが接触し割れたコンクリートの傷跡を調べている

 研究員の中に、私とそう変わらない位の背丈の少女と見るからに若い眼鏡の

 青年を発見した。


 彼らは他の防弾チョッキやヘルメットを装備した研究員と異なり

 普通の制服で、明らかに軽装備だった。


 「一体彼らは何者なの・・・?」


 雨音が彼らを見ていると、片方の若い青年に気付かれた。


 「ん、あれが今回の件の羅刹の佐伯雨音か。おい、話を聞きたいからこっち来い」


 眼鏡の青年に唐突に呼ばれ、雨音は彼らの方に駆け寄る。

 そして雨音が質問する。


 「・・・貴方達は一体?」


 雨音の問いに青年は快く答える。


 「俺達は研究所長直属の依頼を受けて行動する、”特殊研究員”って奴だな。

  俺は荻・マーク・晴斗。このチビは・・・・・・」


 荻・マーク・晴斗と名乗る彼はもう一人の少女を親指で指す。


 「長谷川響!今日は所長に”見所のある羅刹がいるから見て来い”との

  事で来ました。それと・・・所長が言ってた通り本当に可愛いですねぇ」


 長谷川響と名乗る活気のある少女は雨音の姿を見て照れくさそうにする。


 「元気の良い子ね。ところで貴方達は若く見えるけれど、年齢は?」


 雨音の質問に響は冗談混じりに答える。


 「レディにそんな事聞きますかぁ?」


 長谷川響と名乗る雨音と年はあまり変わらないであろう少女が

 赤面する。


 「・・・悪かったわね。そちらの荻君は?」


 彼女の言葉にたじろぎながらも雨音は質問する相手を変える。


 「俺は19だ。あー、あとそいつは14だ」


 彼の答えに響が頷く。


 「未成年でもあの研究所で羅刹に関しての研究が出来るの?

  それなら私もその研究員になれるのかしら?」


 彼らの年齢を聞き、雨音が興味、で済まされない様な眼差しで晴斗を見る。


 「落ちつけ。お前は多分”親父さん”の事でそんな熱くなってるんだろ」


 晴斗が諭す。すると、雨音は驚きの表情を見せる。


 「貴方、何で父さんの事を!?」


 雨音が強い口調で晴斗に問う。


 「お前の親父さん、佐伯 四楼(さえき しろう)氏は研究員の中では

  有名だからな。人類で初めて因果律の存在を提唱し、研究を始めた

  者の一人・・・・・・」


 晴斗は少し口を紡ぎ、また答える。


 「しかし四楼氏はセフィロト襲撃の件で奴らに拉致されてしまったんだ」


 彼の言葉は偽りには聞こえず、雨音は驚愕した。

 何故ならば雨音はその情報を全く知らなかったからである。


 「それで、お前は親父さんを助けたいんだろうが」


 晴斗の言葉に雨音は逆上する。


 「当たり前よっ!父さんは、私の大事な家族なのだから!」


 「だがな、お前には荷が重ーーー」


 雨音のその答えに晴斗が反論する。

 すると、あの、と響が言う。


 「さっきっから聞いてるとそこの”無能眼鏡”は研究所の指示を

  無視して説教垂れてるだけなんですけどぉ、そこら辺の事を決めるのは

  そこの雨音さんだと思いますよ」


 突如響は挙手し、言い放つ。それにしても彼に対して辛辣(しんらつ)

 雨音は渋い顔を見せる・・・。


 「確かにそうだが、いきなりどうした?つか無能って言うのやめろ」


 晴斗が聞くが響はこの件に関しての自分なりの考えを表す。


 「この件に関して決定権を持つのは研究所、親御さん、そして雨音さん自身なんですよ」


 「まぁこの眼鏡は雨音さんが危険に晒される事を危惧して言ってるんですよ」


 長谷川が雨音にはにかんで言うと、荻君が少し照れつつ、話を続ける。


 「う、うるさいっ!ったく仕方ねえな・・・。兎に角、まずは佐伯には研究所に来てもらう。

  そして所長の意向を仰ぐぞ」


 「まぁ結局はスカウトをお願いされると思いますけどね」


 長谷川さんが飄々と呟く。


 「状況は把握したわ。行きましょう」


 と言う事で雨音達は研究所へ向かう。


 「なんでお前が仕切ってるんだよ!」


 雨音は心中でこう誓った。


 私は因果律の事を明らかにしてみせる。

 そして、セフィロトに父さんが囚われている。


 絶対に助けなくてはいけない。その為に私のこの因果律を使う!


 ・・・と。

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