あの日
「"あの"事件から一年が立とうとしていた頃でした。」
「錫はその計画を突如として示したのです」
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「そんな計画、軽く承諾出来る訳が無いだろ!」
新しく仕上がった研究所の一室にてダゴンの怒号が
響き渡りました。
「何が全世界中にナノクオーツを撒いて全人類を羅刹化だ!」
「人類を超越した次元へ進化させるだけだよ、何も問題は
無いだろう?」
「錫!!因果律の多用によって弊害が生まれるのは百も承知だろ!?」
錫に対し怒りを露わにするダゴンとは裏腹に錫は飄々とした
態度でその”馬鹿げた”計画の正当性を押し通しました。
「四楼、君だって妻子は大事でしょ?なら従うべきだよ」
「お前、いつからその事を!?」
「計画の為さ、君の娘さん、雨音ちゃんが持つあろう
因果律は僕の計画にお誂え向けなのさ!とんだ偶然
じゃないか!はははーーー」
その時、ダゴンの拳が錫の左頬に飛び込みました。
「ぐぁっ!」
「どこで雨音の未来の因果律なんて知った・・・」
「内緒」
その時、思わず私も兄である錫に手が出ました。
重い平手打ちを彼の左頬に、当てました。
「うーむ、痛覚訛ってるんだけど、やっぱり痛いや」
「人の家族にまで手を伸ばすなんて・・・・・・間違ってる!!」
「ふーん、二人共そう言う?じゃあそれなりの処罰を与えなくちゃ」
錫が指を打ち鳴らすと、部屋に研究員らが大量に
進入し、私達を瞬く間に監禁室へと送還しました。
その動きに圧倒され、私達は何も言えなくなっていました。
しかし、程無くしてダゴンが口を開きました。
「何をするんだ錫!」
「こっそりこう言う部屋作っといて損は無かったね。じゃあそこで
餓死してて。リヴァースでおもちゃにするのはそれからでいいや」
「まぁそんな奴らじゃ使い物にならないかもね。はははっ!」
「・・・・・・」
「まっ番とかは付けないから最後のお喋りでも済ませなよ。
明日からは話しもしなくなるだろうし」
そう言い残すと錫は監禁室を後にしました。
「・・・それにしても本当に牢獄みたいですね。
ここまで悪趣味だったとは」
「鈴ちゃん、今私の因果律で名無寧々に繋がった。明朝にはこちらへ
到着できるそうだ。取り敢えずは今の状況を話した」
「ありがとうございます」
「それと、何だっけ?セフィロトか。名無一門にそう言う
組織があるみたいだな。それのリーダーになって欲しいとさ」
「私が?」
そしてその晩、ダゴンを介して私は寧々さん、いえ・・・ヒドラとの
連絡によって”その日”を迎えました。
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「爆発、か・・・・・・」
「錫」
「おお鈴!脱獄すんの?」
「私は、いや私達は・・・山本錫、あなたを絶対に倒す!」
「頑張ってね~!でも止められるかな?僕の計画・・・・・・」
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鈴さんが言い放ったその計画、
その計画の名はーーー
"因果律の雨"




