戀
「ばれてたの?」
「明白でしょう、あなたが錫を騙していた事は。政府もくどい事
考えるのね」
「それじゃあしょうがないーーー」
すると佐々木は懐からトランシーバーを取り出し、周波を合わせました。
「焼き払ってちょうだい」
彼女が足早に立ち去ると、研究所の周囲を取り囲んでいた武装ヘリが
施設ごとこちらへ機関銃を撃ち放ちました。
「クソッ!」
「待って、羅衣里!君は、本当は、僕がーーー」
----------------------------------------------------
「全弾発射終了、内部からの体温、視認出来ません」
「あーあ、あっけない。バイバイ錫・・・」
彼らが”人類とは違う化け物”を討伐した余韻に浸っていたその時でした。
「内部からの体温、復活!サーモセンサーの異常?いや、
これは・・・・・・」
「まさか例のリヴァース!?」
「ふぅ、ごきげんよう御国の犬共」
「なっ、山本錫・・・・・・」
「こんにちは羅衣里ちゃん、愛しているフリをしていた男を殺した
感想聞かせてよ。ねっねっ」
「ほいリヴァース」
「ん・・・俺たちゃ死んだはずだが」
「これは、リヴァース?」
私が気付くと、私達三人が立っている場所には無残な礫しか残っていません
でした。
私達は、その場に立っていた錫の顔を不意に見上げました。
その表情には、正直”人間性”を感じ取れる要素が見えませんでした。
「錫・・・?」
「ん~、すっきりした。今ビビビっと来たんだよ、この因果律の
使い方」
「そうだねぇ、まずは・・・・・・おもちゃを造る」
錫はそういうと先程の爆発に巻き込まれた研究員の死体に触れ、
起き上らせました。
「リヴァース」
「ヴ?ヴぉヴぁあう」
「え?死体が動き出した!?」
「これが新たな、進化した僕の力!!どう羅衣里ちゃん、面白い?」
「キモいんだよ!!」
「え、キモい?何で?僕達羅刹の事を君は大好きって言ったよね?
何?キモカワ?」
「ちげーよ!てめぇらみてぇなクソバケモンがこの国にいるのが
キモ」
その瞬間でした。どこから持ち出したか定かではない拳銃で
佐々木の頭を貫いていたのです。
「と、着地―からのリヴァース」
「ひっ!?ぜ、全弾撃ち尽くせ!!」
「ぎゅむっ・・・っと、だから死なないんですってば笑える~」
「うわ、う、うわあああ!」
「逃がさねぇよ」
ーーー錫はその後、日が落ちるまで周りの人間を惨殺していました。
私達でさえも。
あの男に見える狂気と探究心はこの頃から芽生えていたのでしょう。




