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因果律のレイン  作者: テンペスティア
Rain of Causality Law
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出会い

 「それが所長、そして鈴さんが因果律を知った要因になったのね」


 今までの鈴の話を聞いて雨音がこくこくと頷く。


 「ですがそれだけで私達が因果律と呼ばれる異能力に気付いた

  訳ではありません。その後にダゴン、いえ。四楼さんと出会った事が全ての一因と

  なったのですーーー」


 ーーーあの”奇跡”から暫く。

 神下町にて鬼門山から光が出ていると言う主旨の新聞記事がようやく世にはびこった。

 これを見た鈴達はあの日起こった事が夢では無いと確信し、

 もう一度あの場所へ行く事を決心した。


 元々育児放棄ぎみだった彼女らの親はこの間まで入院していた錫を引き止めもせず、

 すんなりと送り出した。しかし錫は「好都合だ」と呟く。


 そして電車に揺られつつ京都に着くとすぐさま鈴達は

 鬼門山の祠を目指した。


 あの時の記憶を頼りに進んだ先に懐かしい井戸が見えてきた。


 井戸はあの時締めた筈の蓋が壊され、青い光が漏れ出ていた。

 そして、二人が散策をしていると井戸の傍らに一人の男性が

 倒れているのを発見した。


 「大丈夫ですか!?」


 「おい、しっかりしろよ!」


 鈴達が駆け寄り、声を掛けると、男性が意識を取り戻した。


 「ああ、ここは・・・・・・」


 男性は自分を助けてくれたであろう二人に場所を聞く。


 「鬼門山の祠の近くです」


 鈴が答えると男性は辺りを見渡し、そうだったと呟く。


 「そうかそうか、世話掛けたな君達、私はここに調査にやって来た

  者でな。この井戸から”また”光が現れたと聞いてな」


 「また?おじさん四年前の事知っているのか!?」


 男性の言葉から示唆された過去の出来事を知っている口ぶりに

 錫は血相を変えて男性に詰め寄った。


 「詳しいな少年。あの時は公にされていなかったが、恐らくそれは、

  ”名無一門”が隠したんだろうな。興味があるなら少しは

  話してもーーー」


 すると、錫が急に男性の胸倉を掴んだ。


 「洗いざらい話せ・・・・・・」


 強引な手段を取ってしまいましたが、その男性から快くその光に関する事と、

 ”名無家”と呼ばれる祓い屋一門について聞く事に成功した。


 「良いか、今から話すのは四年前の調査結果だがな。あの日どっかの

  子供がその名無家に伝わる禁忌の扉とされる”鬼門”を開けたって

  事で大騒ぎになっててな。そっから私は調査している訳だが、

  物の試しと言う事で蓋を開けたら、例の光を食らってこの様だ」


 男性の言っている事に信憑性はあり、彼も錫、そして微量ではあるが

 青い光の影響を受けた鈴と同じ境遇の様だった。


 「なんだ、僕達と一緒か」


 錫が腕を組み言った。


 「一緒・・・?」


 「ああ、四年前にその鬼門ってのを開いたのは僕達なんだ」


 狐につままれた様な顔を浮かべる男性に対して錫は答えた。


 「何ぃ!?それは本当か!?」


 男性はその事実に今度は錫の胸倉を掴んで問い質す。


 「あ、ああ。実際光を浴びた後車と事故ったがこの通りピンピン

  してるしな」


 男性の気迫に押されつつ錫が言う。


 「お前が四年前の…彼女もか?」


 「はい、あの時現場にいました。ですが、影響も弱く兄の様な

  はっきりとした変化は今のところ見られません」


 鈴のその答えに男性は首を傾げる。


 「そうか・・・・・・やはりあの光には何か秘密が・・・!?」


 すると、男性が突然はっとする。その様子に錫が反応する。


 「どうしたおじさん?」


 錫が問うと、男性は二人の顔を覗きつつ言った。


 「未来が見えた・・・。恐らく私も光を浴びてその特殊な力を

  得たんだろうか・・・・・・」


 「どんな未来が見えたんだ?」


 錫が問う。


 「・・・・・・君らと私が共に研究をしている未来だ」


 その言葉に鈴は興奮を禁じえなかった。この謎を解明しつつある時が来る。

 その事が彼女にとってとても嬉しかった。

 すると、錫が一つ提案する。


 「なあおじさん、今からでもその研究って奴やらねぇか?」


 「は?子供が首突っ込める話じゃあーーー」


 男性が言おうとした最中に錫が言葉を挟む。


 「理論上はケーリアバーグ大学首席卒業出来るんだよ」


 「何の話だ?」


 男性が問うと、錫は自らの頭を指して言った。


 「勉強は好きでな。僕の頭ならさっき言った名門大学に行けるんだよ」


 その言葉に対して男性は溜め息を吐いた。


 「嘘つくなよ・・・」


 「んな嘘つく意味無いだろ。取り敢えず、ここの事について知ってる

  名無って奴らに会いに行こうぜ。なぁおじさん」


 錫が親指で後方を指すとそのまま駆け出す。 


 「おいっ待てっ!それに私はおじさんじゃなくて私は四楼、佐伯四楼だ!」


 四楼、後のダゴンが彼を追う。


 「そうか、じゃあ改めましてよろしく、四楼」


 錫が四楼の手を取り挨拶する。


 「ふふっ、小生意気だが気に入ったぞ少年!」


 四楼は彼のその破天荒な性格を好いた。


 「そうだ。僕は、錫、山本錫だ!」


 これが錫と四楼さんとの出会いだった。

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