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因果律のレイン  作者: テンペスティア
Rain of Causality Law
24/76

あの人の因果律は

 「貴方が曇天だったの!?」


 雨音が様々な方向で驚いている。その姿に鈴は恐縮する。


 「はい。ただ・・・」


 鈴はそう言いつつも何か話したい事がある様に続ける。


 「ただ?」


 「みんながご飯食べてからにしましょっか」


 彼女の言葉にわざわざ聞いた雨音の右肩はぐんと下がった。


----------------------------------------------


 「ごちそうさまでしたー!」


 それぞれが食べ終わって唱和する。


 「ふう食べた食べた。奥さん、エビフライ美味しかったよ」


 鬼原が腹をさすりながら言う。それに対して雨音の母も喜び、

 また作ると言う。


 「鬼原さん、そんな事言ってる場合じゃないでしょ!」


 雨音が突っ込む。その前に鈴の話しを聞かなくてはいけない。


 「兎も角、私の部屋に来て頂戴。そっちの方が話はしやすいでしょう?」


 雨音が手招きする。各々それに付いていく。


 「取り敢えず適当に座ってて頂戴」


 部屋を案内すると、早速雨音は本題に入る。


 「それで、鈴さんは私達に何を伝えに来たのかしら?」


 すると鈴は先程とは打って変わって真剣な面持ちで説明し始める。


 「蓮ちゃんから話を聞いた所だと、皆さん、蓮ちゃんも含めて

  ダゴンの因果律と・・・」


 「研究所の爆発事件に関しての詳細を伝えねばなりません」


 ダゴン、つまり雨音の父親。彼の因果律と聞いて雨音は俯く。


 「研究所爆発の件は他の仲間と合流してからにしましょう。

  まずはダゴンの因果律のお話しをさせて下さい」


 鈴が順序を立てる。


 「今回も解説フェイズですか・・・あまり良くないですよ」


 響が両手を上げ溜め息を吐く。


 「やめて響さん・・・それより鈴さん、父さんの因果律について、

  教えて頂戴」


 雨音が催促する。


 「はい。簡潔に説明すると、ダゴンの因果律は未来予知と

  相手と脳内での会話です」


 鈴が説明すると雨音が頷く。


 「前代未問ね。でも、理に叶った話ね、まず、私を銃弾からかばった反応、

  尋常じゃなかったもの・・・」


 先程の件の話をしていると、唐突であった父の死と言う現実が甦る。


 「結局、ここ一年全く話せなかった・・・わね」


 涙ぐむ雨音の心中を察して鬼原が話題を切り替える。


 「んで!鈴ちゃん、四楼さんの未来予知の因果律はどの位先の

  未来が読めるんだい?」


 それに対して鈴が答える。


 「・・・ダゴンの話によると、三十分が限度みたいね」


 鈴がそう言うと、雨音が持ち前の立ち直りの早さを見せ、涙を拭く。


 「泣いている場合では無さそうね。それで、その因果律であらかじめ所長の動向を知れたわね。

  そして、そこで見た未来を私達に伝える事が出来るーーー」


 雨音の言葉を聞いて鈴が強く頷く。


 「そう。相手との脳内での会話、ダゴンは”ハーモニクス”と

  呼んでいました」


 「それで誰かに自分の意思を伝えてーーー!?」


 その時、雨音は晴斗の一言を思い出した。


 ーーー聞いちまったぜ所長さんよーーー 


 「まさかあの時荻君が全てを悟ったのは・・・・・・」


 「ハーモニクスの影響、ですかねぇ・・・」


 雨音の話を察した響もその答えを導く。


 「つまり父さんはハーモニクスで荻君にその”因果律の限界と

  所長の野望”を伝えた・・・」


 雨音がそう言うと鬼原もそれに続く。


 「それを伝言ゲームの様に私達に公開した、と。彼らの土壇場の

  強さは脱帽ものだね」


 鬼原がそう言うと、雨音が鬼原の肩を掴んで言った。


 「それなら、二人は何か策を考えていたかも知れないわ。

  まだ、希望は(つい)えていない筈!」


 雨音の考えに鬼原がでも、と付け足す。


 「ダゴンはリヴァースで操られている筈、それに荻君だってーーー」


 「蓮ちゃん!!」


 鬼原の不意な発言に鈴の怒号が飛ぶ。


 「あ、ああ。すまない。悪気は無いんだ。ただ、あまり期待は

  しない方がいい・・・すまない、場を悪くしちゃったね!

  じゃあ私はこの辺でおいとまさせて頂くとするよ、お休みー」


 鬼原は雨音達に手を振ると速やかに部屋を出て行った。


 「では私も帰ります。明日・・・・・・セフィロトの幹部、ヒドラ、ナルラトテプ

  と共にまたこちらに伺います。では」


 鈴が明日の事を勝手ながらも取り決めると佐伯邸を後にする。


 「さようなら鈴さん。・・・・・・さて、明日は学校を休まないと・・・」


 そして雨音達は明日に備えて母と相談しつつ準備を整え、部屋の電気を消す。


 「さてと、お母様からも鈴さんや他の人達の事を伝えたらなんとか許諾して貰えましたね」


 響が笑顔でそう言い、雨音を見ると彼女の表情はやけに曇っていた。


 「・・・響さん。今日は一緒に寝て欲しいわ」


 「こっち来て頂戴」


 雨音が響の手を引っ張り言う。


 「え!?じゃあお言葉に甘えて」



 その床にて雨音は響に甘えるしかなかった。どれだけ強靭を装っても辛いものは

 辛い。

 雨音に訪れた重すぎる死。それを耐え抜く為に雨音は響を抱き締めた。

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