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桃色エッセイ。

ビバ!ビバジョ!

作者: 桃色 ぴんく。

 何を隠そう、私は美魔女だ。


近所の人からは「きれいな奥さん」

仕事仲間には「若く見えるし美人だ」

息子の学校に行けば「え?お母さん??お姉さんじゃないの??」

なんて言われることもしばしば。


 実は、小さい頃は老け顔でよく年齢よりも上に見られていた。

中学生の頃に、ナンパされた時の言葉が


「大人ですか?子供ですか?」


なんじゃそりゃ。と思いながらも

「子供です・・・」と答えると一瞬相手はたじろぐものの、

「お茶だけでもどう?」と誘ってきた。

特に害はなさそうだったので、ついていってパフェをおごってもらった記憶がある。


 高校生の頃には、しつこいほど同じ人に追いかけられた。

「僕のモデルになってもらいたいんです!」

アマチュアのカメラマンと名乗っていたが、

『どうせ、そのうちいやらしい写真とか撮る気でしょ』ってわかってたから

ずっと断っていた。 


 高校卒業後、仕事に就いたけど数年で辞めて、バイトを転々と始めた時期は、

結構お盛んに遊んでた。バイト先の居酒屋のお客さんに誘われて、のこのことついて行き、彼女がいるのに何度か密会とかしちゃったり。

 で、ある日、その彼のマンションに行ったんだけど、部屋の階数をはっきり覚えてなくて、

「たしか3階の3番目の部屋だったような・・・」というテキトーな感じで訪問したら、ドアを開けた男の人が「え!?美人!?なんで???」とわけのわからないことを言っていたのを覚えてる。まぁ、私が間違って違う人の部屋に行っちゃったからなんだけどね。


 そんな私も今の旦那さんと知り合って、結婚して・・・結婚式の翌朝、旦那さんに言われた言葉が



「・・・詐欺だ」



 そう、私、一見美人なんだけど、実は化粧でだいぶ化けてるのよね。

旦那さんはちょっとショックを受けたようにも見えたけど、離婚までにはならなかったわ。

時々、嫌味のように「化粧ばけしょう終わった~?」とか言ってるけど。



 なによ!ちょっと化粧で目を二重にしてるだけじゃないの。お金に余裕があればプチ整形ぐらいしてるわよ!

 なんて、強気で思えるほど、本当は強くないの。コンプレックスの塊。すっぴんでは家の外に1歩も出れないぐらい。スーパーに行くのでさえ、化粧しないと行けない。家族にはすっぴんを見せれるけど、化粧前のすっぴんの時間帯にチャイムが鳴っても居留守使っちゃうぐらい、ほんとに無理。



 ああ、この目が二重だったら・・・それだけでいいのに。欲を言えば、鼻も気に入らないけど、とりあえず目だけでいいのに!中学生の時からずっとずっと二重まぶた化粧品を愛用してるのに、一向に二重にならない私。どんだけ強烈な一重なの。それだけでも深刻な悩みなのに、化粧して美人になっても、汗をかいたり、雨に濡れたら化粧が取れないか不安になるし、プールなんか入ったり出来ない自分が嫌で、自己嫌悪に陥ったこともあった。



 でも、最近は、テレビやネットでも『メイクしたら別人』とか、そういうのも世間に浸透してきて、少し気が楽になった。化粧は女の特権よ。化粧して綺麗になるなら自信持てばいいじゃない!と。

 そう思えるようになった今では、実際の年齢を言うことにも迷いはなくなった。子供の頃に老け顔だった私も、30歳を超えた頃から若く見られるようになったからだ。今ではだいたい10歳以上は若く見られる。世間でいう、美魔女ってやつかな。いや、ちょっと違うかな。


 美魔女もとい、美化女びばじょだな。

それでもいいの。美人は美人なんだから!   by開き直り。


               ~ビバ!ビバジョ!(完)~

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― 新着の感想 ―
[一言] 女性は誰もがそう思っているだろうな。っていうところをズバッと打ち抜いていますよね。男もきっとそうですよ。
[良い点] 歳を重ねることで自信がついてくるのでは? 皺とタルミ、シミにこそ美が隠れています。 骨董と同じですね。 女性は見せかけの美を追うのですか。 美的感覚は時とともに変化するのに……
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