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龍の遣い手達  作者: 瑞波
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龍ノ宮学園


           第1話




ここは東京都新宿区にある龍ノ宮学園。

この学園は表向きは普通の学校だが本当は国が運営している軍人を育てる為の学校だ。

生徒達は軍人になるために日々鍛えられていた。

この学園にはこんな言い伝えがある。

“龍の力使う者学園に揃いし時、運命動き始める”

そんな学園にある“特殊な能力”を持った者達が4人入学した。

“特殊な能力”それは龍の力を使う者達。

その者達の事を龍遣いと言う。

過去にも数人龍の力を使う者が通っていた事はあった。しかし、その時は何も起きなかった。

そんなこともあり学園の教師達は安心していた。

「今回も何も起きないだろう」と…。

翌年更に4人の龍遣いが入学するまでは…。

龍遣いが8人。それは今までで一番多い人数だった。

運命を動かすことになる者達が揃ったのだった。

運命の8人が揃ってから一年が経過した。

鬼・妖怪そして人間による永き戦いは大きく動き始める。





西暦21××年   4月


今日は龍ノ宮学園の始業式。

(今日の始業式楽しみだな~)

そんなことを思いながらはづきは家を出た。

駅に着くと親友がいつものように待っていた。


「由衣!オハヨー!」

「はづき。おはよう」

いつものように挨拶を交わし電車に乗り込む。

「ねぇ。知ってる?今日新しい先生が2人来るんだって!」

「うん。そうみたいだね」

「あ~。やっぱり知ってたんだ~」

「うん。じゃあ、これは知ってる?」

「なに?」

「今年から特別クラスができるっていう話」

「え!?そうなの?」

「うん」

「そっか~」

(相変わらず由衣は何でも知ってるな~)


いつものように他愛のない話をしながら学園に向かう。はづきはこの時間が好きだった。

親友の由衣はわすれな草色の瞳に水色の髪を腰まで伸ばしたストレートでとても美人だ。物静かでとても物知りで頼りになる親友だ。

(時々怖いけどね~)


「はづき。着いたよ?」

「あっ。うん」

「考えごと?」

「ふふっ。同じクラスになれるといいね」

「?うん。そうだね」

そんな会話をしながら電車を降り学園までの道を歩いていた。

学園に着き2人でクラス分けが張り出されている掲示板の所まで行く。




特別クラス


 一組         二組

1、黄瀬 はづき(2年)   1、黒森 由衣(2年)

2、月影 紫(2年)     2、青澤 泉(3年)

3、赤坂 巴(2年)     3、緑川 風雅(3年)

4、白崎 セイ(3年)    4、橙山 時雨(3年)


以上8名を特別クラスとする。





普通クラス    1年生


 A組          B組

1、ーーーーー      1、ーーーーー

2、ーーーーー      2、ーーーーー

3、ーーーーー      3、ーーーーー

4、ーーーーー…     4、ーーーーー…


         2年生


 A組          B組

1、ーーーーー      1、ーーーーー

2、ーーーーー      2、ーーーーー

3、ーーーーー      3、ーーーーー

4、ーーーーー…     4、ーーーーー…


         3年生


 A組          B組

1、ーーーーー      1、ーーーーー

2、ーーーーー      2、ーーーーー

3、ーーーーー      3、ーーーーー

4、ーーーーー…     4、ーーーーー…


以上の150名を普通クラスとする。





「あ~。クラス別れちゃったね」

「そうだね」

「オハヨー!はづき!由衣!」

      コウ

「あっ!巴!紫!オハヨー」

「おはようございます」

「おはよう。2人とも早いんだね」

「うん!今日はクラス分けがあるからね!」

そういって2人もクラス分けを見に行く。


「あたし達特別クラスだね」

「そうですね。由衣以外は同じクラスですか。五月蝿くなりそうですね」

「紫?なにか言った?」

「いえ。なんでもありませんよ」

「ねぇそろそろ教室向かおうよ」

「そうだね!」

はづき達は賑やかに話しながら教室に向かった。これから始まることなんてまるで知らずに無邪気に笑っていた…。

気付きもしなかった。もうすでに運命は動き出していたことに………。





友人と駅で待ち合わせをし、由衣は学園へ向かった。

休み明けではあるがいつも通りの日常。

友人の名前は黄瀬はづき。杜若色の瞳に若草色の長い髪をおだんごに結んでいる可愛い子だ。

そんな友人と他愛のない会話をしながら学園へ向かいクラス分けを見ていた。

(やっぱり特別クラスか…。予想通りだな)


そんなことを思っていると後ろから明るい声が聞こえてきた。

「はづき!由衣!オハヨー!」

振り返って見ると思った通りの友人がいた。

赤坂巴と月影紫。この2人は家が近所らしくよく一緒に登校している。

コウ

「あっ!巴!紫!オハヨー」

「おはようございます」

とりあえず由衣も挨拶を返す。

「おはよう。2人とも早いんだね」

(いつもはもう少しゆっくり来るのに)

「うん!今日はクラス分けがあるからね!」

と言って2人もクラス分けを見に行った。


巴は橙色の瞳にピンク色の髪を高い位置で2つに結んだ元気いっぱいな子だ。

(おっちょこちょいで元気過ぎるけどね…)

紫はルビー色の瞳でクリーム色の髪が特徴の大人しい子だ。

(男だけど美人なんだよね。毒舌だけど…)

そんなことを考えていると2人が戻って来た。


「あたし達特別クラスだね」

「そうですね。由衣以外は同じクラスですか。五月蝿くなりそうですね」

紫がそうボソッと言っていた。

(確かに…)

そう思い由衣は苦笑する。

「紫?なにか言った?」

どうやらその呟きははづき達には聞こえなかったらしい。紫もそれを悟り

「いえ。なんでもありませんよ」

と言っていた。

この話は終わりと言うように由衣は…

「ねぇそろそろ教室向かおうよ」

と言った。


皆で教室に向かいながら思った。

(もしこの友人達が本当の自分を知ったらどう思うだろう…。嫌われるだろうか…軽蔑されるだろうか…)

そんなことを思う。

(友人達は知らない本当の私を……。でも、もう後には引けない。運命は動き出している。たとえ…闘うことになっても引く訳にはいかない)

そう思いながら由衣は空を見上げた。


そう。運命は動き出しているのだ。




それは残酷に恐ろしく時には周りさえも巻き込んでいく……………。

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