煌めき 1
あれから10ゕ月が過ぎた。
大介は都立海東高等学校、御木本功一は私立開成高等学校、霧島洋子と大島説子は仲良く都立八代高等学校に進学した。
長く感じた受験勉強もやっと終わり、大介はこれまでの苦労が報われたことで、改めて見守ってくれた先生方に感謝していた。
だが、毎日会えたクラスメートと別れを告げなければいけないことがすこしだけ大介をセンチにさせた。功一とも気まずい時期があったが、一学年下の彼女ができてからというものは、かえって相談事を受けることが多くなり、「どうしたら女はセックスしたくなるんだ」など、相も変わらず下半身で思考する性格のままだった。
大介と洋子も関係は続いていたが、大介は洋子の気持ちを考えて自然な形になるまではと、プラトニックのままでいいと考えていた。
説子は説子で受験が終わったのを機に隣のクラスの原田明に告白されたが、「わたしのタイプじゃない」とあっさり断り。「だって嵐の桜井翔じゃないもん」とあくまでも理想を追いかけるのであった。
そんな4人が学校近くのマックで談笑していた。
すると功一が、
「なあ洋子、俺より大介を選んだ理由はなんだ」
「そうねえ、雰囲気があって考えがしっかりしているところ。それと夢に向かって日々努力している姿もよかったな」
「俺だってかなり努力して開成に入ったんだぜ」
「うーん、それは好意を寄せている人とそうでない人の違いだと思う」
「なんだよ、それじゃいくら努力しても無理じゃないか」
「そうね、わたしには無理だけど彼女がいるじゃない」
「じゃあ、大介と別れても俺じゃだめなのか」
「きっと別の人を選ぶと思う」
「ひでぇー話だ、夢も希望も捨てろなんて」
「功一、あなたはいい人よ。だけどわたしはあなたと毎日顔を突き合わせて暮らしたいとは思えないの。大介とは少しでも一緒にいたい、これは神様が与えた縁だとしかいえない」
「わかったよ、金輪際、洋子のことは諦める」
「ごめんなさい。わたしは巡り会いがとても重要だと思うの。この地球上に何十億という人がいるのに、知り合える人は一生でごくわずか。その中で身を焦がすような恋ができる人に会えるのはきっと一人か二人ぐらいだと思う。わたしはそのチャンスに全てをかけてみたいの」
「あーあ、ごちそうさま。俺はのろけ話を聞きたいんじゃない。男のどこにそれだけ惚れ込むのか知りたいんだ。おまえら関係をもっていないんだろ。それなのにそんなに一途になれる理由が知りたいんだ」
「なんだ、功一も彼女に一途になってほしいんだ」
「そうだ、俺よりかっこいい男なんて世の中に掃いて捨てるほどいるぜ。いつ捨てられるかと思うと不安で不安で」
「男ならもっと自信を持ちなさい。そんなこと考えていたら現実になっちゃうから。開成に入れるだけでもとても選ばれた人なんだから」




