表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/46

選択 5

 

「ああ、ミュージシャンとしてのセンスは最高だ。

洋子だって達郎の傑作『クリスマス・イブ』は知っているだろう。

センスという点ではミスターチルドレンの桜井和寿もいい線いってる。

きっと詞と曲を同時に作るんだろうな、メロディーと歌詞の組み合わせが絶妙なんだ。ただ、プロデューサーの小林武史の存在が大きいけどね」


 「わたしもミスチルは大好きだけど、小林さんて偉いの」


 「偉いというより才能に恵まれた人だ。

サザンオールスターズのアレンジを手がけたこともあるんだよ。だけど、間違いなく努力をしているはずさ」


 「ふーん、音楽ってアーティストの才能が全てだと思ってた」


 「確かにアーティストの才能は大きいけど、周りのスタッフにも恵まれていなかったら、そうヒット曲を連発することなんてできないさ。たとえば洋子は朝食になにを食べる」


 「トーストとヨーグルトとコーヒーぐらいかな」


 「ずいぶんシンプルだね。

朝食を卵料理にするにしても毎日ハムエッグというわけにはいかないだろ。

オムレツになったり、スクランブルエッグになったり、ハードボイルドになったりしないか。

それにサラダがついて、トーストがついて、そして仕上げにコーヒーがついて完成する。

CDだって発売されるまでには作詞、作曲、編曲家にディレクターのサウンド面と、ジャケットやプロモーション・ビデオなどのヴィジュアル面のさまざまな人のスパイスが加えられて、それにプロデューサーという監督みたいな人が統括しているのさ。

だから一枚のCDには多くの制作者たちの夢がつまっていることを洋子にも知っておいてほしいな。やはりチームワークはとても大切なんだ」


 「へぇー、大介はそこまで見えているんだ。すごいなー、わたしなんか将来の夢も生きがいもない」


 「でも、将来俺がミュージシャンになったとしたら、苛酷な重圧と相対することを覚悟しなければならないんだ。なぜなら民衆の期待に応えるというとんでもないプレッシャーと闘うことを意味するからね」


 「大介、たとえ世界中の誰もあなたの夢に気づかなくても、わたしだけはいつも傍にいてあなたの夢を見ていたいな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ