文字のタトゥー
《登場人物》
吉田 慎太郎 大学教授
ジョン 留学生
ポンチョ 留学生
この物語はフィクションです。
「世の中にはタトゥーと言う物があって、時にはそれがおかしかったりする。日本人の私達がこんな物したら、ファッションとは言えない位、似合わないだろうね・・・・・・こういうものは外人の体格だからこそ似合うと私は思うね」
吉田は、教壇に立って日本の刺青とタトゥーの違いを講義していた。すると大学の授業終了音がスピーカーから一斉になった。何十名の学生達は、溜め息をついたり、授業終了と同時に筆箱や本・辞書をカバンに片したり、腕時計で時間を確認していたりする。
「じゃあ、今日の講義は以上です」
吉田は、受講している学生達に言った後で使ったマイクを元の場所に戻し、研究室に戻る為に大講義室を出ようとした。
「オ~イ、ヨシ~ダ!」
その声はジョンだった。吉田は振り返り、ジョンと話しながら研究室に向かった。
「ジョンか? どうした?」
「イヤ~キイテくれよ。ポンチョの奴ガ最近ほったタトゥーがあまりにもオカシクッテさ~」
「へぇ~タトゥーがね。別にいいじゃないか。あいつならお似合いじゃないか? 体型もいいし」
「イヤ~それが、オレとポンチョ、あとフレンドのフリッツの三人で一緒にオキナワーへ観光ニ行ったんだけど、そこでタトゥーをヤッタ訳ナンダけど、あいつ、文字をほってモラってさ~」
「えっ!? 文字をか?」
吉田は知っていた。外人がいくら格好いいタトゥーをしていたとしてもそのタトゥーが日本の文字だった時、ダサさが半端なく上回ってしまうことを・・・・・・
恐る恐るジョンに訊いてみた。
「なぁ、ちなみにポンチョ、なんて掘ってもらったんだ?」
「エ~っト、確かネ。あ、写メ撮っテルからミセルわ」
ジョンに見せられたその写メには、ポンチョの右腕にあったのは・・・・・・
《冷凍庫》
「・・・・・・ポンチョ、欲しかったんだろうな。冷蔵庫を・・・・・・」
吉田の予想は、当たった。ジョンは、吉田の反応に笑った。そのままジョンは続けた。
「実を言うと、俺はイタイの嫌ダカラ、シールにしタンだヨネ」
「・・・へぇ~シールか、ちなみにどんな奴?」
「イマ見せるヨ~」
ジョンは左腕のシャツをまって上腕部分が見えるようにした。
吉田はジョンの上腕を凝視した。そこにはタトゥーのシールが貼られていた。
《湯豆腐》
ジョンは、吉田の反応を期待した。
「どうヨ? 吉~ダ? カッコウイイ?」
「今日の夕飯は湯豆腐だな」
吉田は、そう返す事しかできなかった・・・
END
大学教授吉田シリーズ 第4弾です。
下手くそが書きました。
超展開であることをご了承ください。
今回、三題噺ではございません。
ちょっとした友人の会話から思いつき、なんとなくの軽いノリで書きました。
アドバイスや感想をいただけたらありがたいです。