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ルアー

8、ルアー

ボクは基本的にはルアーよりもエサ釣りの方が好きである。

というのはルアーよりも釣れそうな気がするし、エサを使えば、そこに魚がいなくても撒き餌で魚を寄せることも可能だからだ。

一番好きな釣りは?

と聞かれると、やはり磯での浮き釣りが一番好きで、メジナ釣りが一番自分の中では盛り上がるのである。

その辺はタダシロくんも同じらしく、彼の場合はもっとこだわりがすごく、どの釣り場に行っても浮き釣りしかしようとしない。


さて、そんなボクがルアーでの釣りをし始めたのは、戯れに投げてみたルアーに70センチを超えるスズキが食いついてからだった。

あの引きはすごかった。

スズキはかかると水面をはねて、フックをはずそうとする。

これは高確率で針をはずされる。

だからスズキとのファイトはかなり面白いし、また平均サイズが60センチを超えるので釣ったあとの充実感もある。

それにスズキは美味しい。


そのことがきっかけで、ボクはルアーでスズキを釣ることにはまってしまったのだった。

しかし、奇跡というのはそうそう続かないから奇跡なのだ。

ボクのルアーにスズキが食いついてくることは、今のところない。

釣り方が悪いのか・・・。

釣っている場所が悪いのか・・・。


さて、スズキがあまりにも釣れないのでボクはエサ釣りに戻していたのだが、伊豆で生活していたときは時折、ルアーを使ってスズキを狙ったりもしていた。

もちろんそんな簡単釣れるのなら苦労はないのだが・・・。

伊豆に住んでいた頃、いつも行っている堤防では隣の人がイナダをかけたりして、ルアーでけっこう釣れているところをボクは見ていたから、朝早くにルアーを持って釣りに行ったりもしていた。

ところが不思議なぐらいボクのルアーには魚がかかってくれなかった。


一度、ルアーで釣りをしていて釣ったのはカマスだった。

それもそこまで大きいものではなかったが、焼いて食べたらやはり美味しかった。

しかし、カマスなどを釣りたいがためにルアーで釣りをしているわけでもなく、ボクはルアーでの成績が上がらないまま、結局、エサ釣りに戻してしまったのである。


伊豆に行く前の話。

ボクは海釣りしかしなかった。

神奈川は淡水魚釣りを楽しめるところはないと思っていたし、管理釣り場などはつまらないと思っていたからだ。

伊豆に行ってからは淡水魚をやる機会があった。

そこでボクはスズキ釣りとは違う形のルアー釣りに挑戦することになった。

伊東の奥野ダムの近くでニジマスが釣れるというので、いくつかのルアーを買い込んでニジマス釣りに挑戦したのだ。


淡水魚釣りは海水の魚を狙う時よりも、非常に繊細なやり方が求められる。

どこが・・・と言われると多くは語れないのだが、ルアーの重さと糸の細さが海水の魚とは断然違う。

とにかく淡水魚を狙う時は信じられないぐらい細い糸を使うし、ルアーも軽いものを利用する。

スズキ釣りのときは25gぐらいのルアーで糸もかなり太いものを使用したのだが、淡水魚を狙う時のルアーは2.2gの非常に軽いルアーを使用する。


最初のニジマス釣りはビギナーズラックもあったのか、数匹釣れたのだが・・・。

やはり次からの数回は釣れなかった。

何度か釣りに出かけては見るものの、よほど活性が上がっているときしか釣れないという状態が続いた。

もちろんボクは釣れない理由をそれなりに考えた。

でも釣れないものは釣れないのだ。

後で考えたら、結論はごく単純なことだったのだが、その時は深くも考えずエサ釣りにシフトを変えてしまったのだ。

大体、ボクの場合は釣れないとすぐに釣り方を変えてしまう癖がある。

そういう悪い癖があるもんだからいつまで経ってもヘッポコ釣師なのである。


さて、ルアー釣りだが、伊豆から横浜に帰ってきてボクは管理釣り場に行くようになった。

管理釣り場なんて・・・とバカにしていたが、下に魚が泳いでいてもなかなか釣れない。

管理釣り場なら確実に釣れる・・・と思っていたボクはビックリしてしまった。

そこでいろいろボクは釣れている上手そうな釣り人の釣り方をじっくり見るようにした。するとそういう人は大体、糸がボクが使っているものより数段細く、ルアーも軽いものを使っていることに気づいた。


早速ボクは糸を細いものにして、ルアーも軽いものを購入した。


すると・・・。

次の釣りから今まで釣れなかったニジマスが、うそのようにガンガン釣れるようになったのだ。


それからというもの、冬場は必ずと言っていいほど管理釣り場に出かけていっては、ニジマス釣りを楽しんでいる。

また、スズキ釣りは再開していないが、もう一度、どうやったら釣れるかを真剣に研究してみて、またチャレンジしてみたいと思っている。


こう考えてみると、釣れないものを釣れるように努力する過程もまた、釣りの醍醐味なのかもしれない。

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