小物でも面白い
2月だ……
毎日寒い。
そして魚が釣れない。
いや、いつの時期も釣れてないではないか……と言われてしまいそうだけど……。
2月でも……
どんなに寒くても……
釣れる人には釣れるのだ。
村越正海氏はいつでも釣っているではないか。
実際にはいつでもというのは語弊があるかもしれない。
ただ上手い人はいつでも魚を釣っているイメージだし、ボクのようなヘッポコ釣り師はいつでも釣れていないイメージなのである。
だから2月であってもなくても『いつでも釣れてない』と言われても仕方ない。
それだけボクは釣りが下手なのだ。
つまり、下手の横好きなのである。
まあ……下手の横好きでも好きなのだから仕方ない。
そして下手の横好きは釣れない日でも無理やり釣りをしようとする。
だから寒くて雪が積もっているような日でも釣りに出かけて、ただ寒い思いだけしながら帰ってくるという実に愚かなことを行うのである。
今回の釣行はそんな寒い日が続く2月の中旬。
もちろん水温も低い。
Twitterなどをのぞいてみると、あり得ないぐらい黒鯛を釣ってたりする人もいるけど……
当然ボクには無縁である。
以前の話の中で……こんなヘッポコ釣り師のボクでもそれなりに研究を重ねて少しは上手くなったという話を書いた。
そう。
少しは上手くなっているのだ。
だから黒鯛は未だに釣れないけども……ちょっとした魚なら釣れるようになったのである。
そして今回釣れたのは小さなカタクチイワシである。
どうせ釣れるならマイワシが釣れてくれれば刺身にでもできるし、塩焼きでも美味しい。
でも残念ながら釣れたのはカタクチイワシ。
どんな魚か一言で言うと……まあ、イワシなんだけど……。
お味噌汁を作るときに出汁で使う煮干しを想像してくれると分かりやすいかもしれない。
そのぐらい小さなイワシが大量に釣れたのである。
相も変わらず……大物とは無縁だ。
ただこのカタクチイワシ。
実は美味しいのである。
天ぷらにすれば骨ごと食べることができるし、味もしっかりした味がするのでお酒のお供にもいい。
『オイルサーディンが美味しいですよ』
一緒に釣りに行った友人の夏目くんがそう言ったので、ボクは下処理したカタクチイワシを半分ほど残しておき、オイルサーディンを作ってみたのだ。
オリーブオイルを使って低温で作るオイルサーディンは天ぷらとはまた違った味わいだった。
パンにつけても美味しいし、パスタやピザに使っても美味しい。
これには驚きだった。
釣りというスポーツは大物と出会えることが魅力の一つではあるのだろうけど……
大物に出会えなくてもそれなりに楽しむこともできる。
今までボクは小さなカタクチイワシが釣れてもそこまで嬉しくはなかった。
だけど、これをきっかけにこれからはこの魚が釣れたらもっとありがたがろうと思う。