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新たな称号を手に入れ、満足感が込み上げる。恐怖値を上げる称号は極めて有用だ。なぜなら、恐怖値はレベルアップのポイントでは上げられない統計だからだ。


さらに、恐怖値が高まれば敵はおののき、正しい判断すらできなくなる。つまり、この統計は極めて重要なのだ。


さて、そろそろ本題の「人生価値」を上げる作業に取りかかるとしよう。


あの男を殺したおかげで、おそらく俺はレベル2になっているはずだ。だが、ステータス画面がアクティブになるまでは、正確な数値は確認できない。


手にした鉄パイプを強く握りしめると、殺戮現場を恐怖で見つめる別の男へと歩み寄り、その顔面を強く殴打した。男は即死する。


レベル3に上がるには、さらに数人、殺す必要があるな。


そういえば言い忘れていた。レベルが上がるたびに、5つの統計ポイントが与えられ、好きな能力を強化できる。


だが、他の方法でも統計は上げられる。例えば、運動したり、その統計に関連する行動だ。この恐怖値なら、殺戮や、中程度以上の知能を持つ生き物を恐怖に陥れることで上昇する。


余計な説明はこの辺にして、本題に戻るとしよう。


どうやら連中は集団で俺を殺すことを決めたらしい。一人が大声で叫んだ。


「てめぇ、このクソ野郎!仲間を殺したな、ブチのめす!」


俺は嗤いを零すと、耳をかいた。


「へぇ、そんな威勢のいいセリフばっか並べてねぇで、かかって来いよ。」


男は俺に向かって走り寄り、拳を振り下ろしてきた。しかし、俺はそれを軽くかわし、持っている鉄パイプで彼の「大事な双子」の真ん中を強烈に打ち抜いた!


男はその場に倒れ込み、苦悶の悲鳴をあげる。


俺はニヤリと笑いながら、鉄パイプを男の頭に突き立てて言った。


「役立たずは用無しだ。」


他の作業員たちはこの光景に恐怖したが、それでも結束は保たれ、一斉に俺に襲いかかってきた。


この決断は称賛に値する。せいぜい、俺のステータス画面の中で、経験値と人生価値の貢献者として、その記憶を生き永らえてもらうとしよう。


鉄パイプを振り回しながら、楽しげに笑い続け、彼らを屠っていく。


その時、予定外の出来事が起きた。ふと我が手を見ると、左袖が炎に包まれているではないか!


角を見ると、一対の妖しい青い瞳が光っていた。


そこにいたのは、青い瞳と長い金髪、白い肌をした20歳前後の男だ。


彼の右手には、燃え盛る炎が宿っている。


この光景に、俺は興奮を禁じ得なかった。世界が変異したばかりというのに、既に能力を使いこなすとは、並外れた才能の持ち主に違いない。


なぜ嬉しいのか?


簡単な話だ。才能ある者を殺せば、世界に与える影響は大きく、人生価値も大きく跳ね上がる。


ニヤリと笑い、作業員たちの死体を踏みしめながら、彼へと歩み寄る。


「おっ、これは興味深い。どうやら君、かなりの才能の持ち主らしいな。名前は?」


金髪の男は、深く眉をひそめて答える。


「数分後には死ぬお前に、俺の名を知る必要はない。」


その傲慢な態度に思わず笑いが零れる。


「ならば、甘くて刺激的な戦いの始まりだな。」


手にした鉄パイプを握りしめ、狂ったように彼へと突進する。彼は火球を俺に放つ。幾つかは命中するが、大半はかわす。


間合いに入った瞬間、全身の力を込めて一撃を振り下ろす。強烈な打撃が彼の脇腹に命中し、彼は地面に倒れ伏した。


俺の一撃で腕は折れているはずだ。それでも、彼は痛みの呻き一つあげず、怒りに燃える瞳で俺を睨みつける。


突然、真っ黒な画面が現れた。


【選択してください】


【 1_ 目の前の相手を殺害する 報酬:恐怖値統計+2、人生価値+200、B級短剣】


【 2_ 目の前の相手を屈辱させる 目前の相手は、リチャードという19歳の男性。世界中に支店を構える大食品会社オーナーの息子。 男性的でありながら女性的な外見を持ち、これまでその外見を利用して彼を辱める者はいなかった。 あなたはこの方法で彼を辱めよ。 報酬:リチャードの恋人になる、ユニーク能力一つを獲得、リチャードはあなたの前では少女のように振る舞う 失敗時の罰:彼の父親の会社の全メンバーから標的にされる】


この選択肢を見て、少し驚いた。システムは俺を性的変質者にしようとしているのか?


俺は女は好きだ。だが、それは報酬に興味が無いわけじゃない。だから、迷わず二つ目のオプションを選ぶとしよう。

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