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24 バカップルよ、永遠に

卒業パーティーで泡を吹いて気絶するという、みっともない姿をさらしたハワードであったが、これで彼の禊は終わった。

これまでつきまとい被害を受けていた女性たちも、プチざまぁをされたハワードを見てすっきりとしたようだ。ハワードに対するヘイトもこれで消えるだろう。


ハワードは目覚めた後、自分に仕掛けられたハニートラップの経緯を聞いて、再度寝込んでしまった。

怒りや羞恥や悲しみや罪悪感といったさまざまな感情が押し寄せ、脳がパンクしてしまったのだ。

しばらくの間あっぷあっぷしていたハワードだったが、彼は変わった。


(……人間は、善良なだけではないんだな……)


家族や友人や想い人にプチざまぁをされたという経験が、彼を大人にした。

……ちょっとだけ荒んでしまったともいえるかもしれないが、大人はピュアなままではいられないのだ。


自分が人間として未熟だったこと、女生徒たちに迷惑をかけていたことを自覚したハワードは、関係者全員に謝罪訪問を行った。その真摯な姿勢にハワードの評判は上がり、王族たち家族は泣いて喜んだそうだ。



★     ★     ★



そうして月日は流れ―――


教会の鐘が鳴り響く中、一組の男女が永遠の愛を誓った。

色とりどりの花が咲き乱れる屋外の披露宴会場では、新郎新婦の友人たちが和やかに歓談していた。


「リィン、とっても綺麗でしたね。ものすごく幸せそうで、見ているこちらまで幸せな気分になりました」

「そうだね。でも、すぐに俺たちも幸せになるだろう、ヘイゼル? その時はこちらも思いきり見せつけてやろうな」

「もう、オリバー様ったら……」


オリバー&ヘイゼルカップルは、相変わらずのラブラブ状態で式に参加している。


「リィンもこれで人妻ね~」

「結婚しても落ち着かなさそうだけどねぇ」


カミラとシンディーも、それぞれの恋人とともにお祝いに来ていた。

さらに、イアンもテレサとともに参加しており、二人が正式に婚約者同士となっていたことで周りを驚かせていた。


だが参加者たちを最も驚かせたのが、ニューカップルだ。


「花嫁さん、とぉってもステキでしたね~! ハワード様っ!」

「ああ。だけど、私にとって世界一素敵なのは君だよ! マリリンっ!」


なんとなんと! ハワードは噂の男爵令嬢、マリリン・スミス嬢と婚約したのだ。

プチざまぁの後、少し荒んでしまったハワードはヘイゼルにくっついて隣国へ留学した。

そこで、運命的な出会いを果たしたのだ。


そもそも、彼の惹かれた女装アレックスはマリリンの劣化版のようなものだった。コピー元であるオリジナルを目にしたハワードが、彼女に恋をするのは自然の流れというものだ。

マリリンも隣国王子という大物を釣り上げて非常にご満悦だった。


楽しそうな面々を見て、新郎新婦は微笑み合う。


「まさかハワードがマリリン嬢とくっつくとはなぁ」

「ビックリしたけど……お似合いだわ。このまま幸せになってくれるといいわね」

「だな。だけどリィン、今日は俺たちが世界一幸せになる日だろ?」

「私はもうとっくに幸せになってるもの。覚悟してよね、アレックス! 今日も明日も明後日も、あなたの隣は私のものなんだから!」


いたずらっぽく笑うリィンに一瞬驚いたような表情を見せたアレックスだが――

ニヤリと笑うと思いきりリィンを抱き締めた。


「俺がリィンを離さないんだから、当然隣にいるのは俺だろ? なに当たり前のこと言ってんだよ」


そのままリィンを抱き上げてくるくると回る。


「ちょ、ちょっとアレックスっ! 目が回っちゃうわ!」

「まったく……リィンはいつまでたっても可愛くて困る」

「もう! アレックスったら!」


二人のイチャイチャ劇場は止まらない。

今日も、明日も、明後日も。

二人でいればいつだって。


ああ、バカップルよ、永遠に―――




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