貴族辞めます
新連載です。
やっぱり異世界ものは難しいですね(泣)
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
今俺は友達と登山に来ている。
来るのも久しぶりだな........
やっと高校受験が終わったので、実に1年ぶりの登山だ。
第1志望の高校にも合格出来て、春からの新生活が待ち遠しい。
「頂上まであ少しだ!」
「早くこっちまで来いよ〜」
俺の前を登る友達が声を張上げて言う。
俺たちの登っている山は少し難易度が高く、ちょっとした岩場を登っていかなければならない。
隣は数十メートルはある崖になっていて、足を踏み外したら終わりだ。
「あぁ、今行くから待っててくれ」
俺は慎重に、慎重に1歩ずつ岩に足をかけていった。
1年ぶりだから体が上手く動かないな。
次の瞬間、俺の視界が180°回転した。
「え?」
俺の乗っていた岩が崩れ落ちたのだ。
周りの岩を掴む暇もなく崖の下へと真っ逆さまに落ちていく。
あ、これ死ぬやつだ。
俺は地面に強く頭を打ち付けた。
そして死んだ..........
マジでしょぼい人生だったな。せめて高校に行かせてほしかった。
視界は黒一色で埋め尽くされ何も無い空間に俺は放り出される。
「アルクス様、お目覚めの時間です」
どこからが遠く響く女性の声。
「ハッ!!!」
「どうかなさいましたか?」
「いや.....なんでもないです.....」
俺は夢を見ているのか?
いやいや、今寝てたんだから夢じゃないだろ。
急に俺の意識が戻り、そこは見慣れない部屋だった。
このホテルのスイートルームみたいな部屋はなんだ。
俺はこんなところに泊まれる程金を持っていた記憶は無い。
目の前でキョトンとしているメイド服姿の女性。
メイドさんって実在したんだな.......
そんなことより俺は確か登山で滑落したはずだ。
まさか助かったのか?
あ!分かったぞ!ここは病院だな。ちょっとお高い。
そうに決まってる!
「ナースさんすみません、ここってなんて名前の病院ですか?」
「はい?アルクス様寝ぼけていらっしゃるのですか?」
「ここは貴方のお部屋ですよ」
「それでは私は他にもお仕事があるのでここで失礼致します」
はい?ってなんだよ!こっちが聞きたいよ!
ここが俺の部屋だなんてそんな嘘よくつけるな!
てかアルクスって誰だよ。
俺の名前は炭谷 昴だぞ!
「一旦カーテンでも開けるか」
俺はベッドから立ち上がり、豪華なレッドカーテンを開ける。
「え?」
そこに広がるのは中世ヨーロッパの街並みのような景色だった。
ここは場所的に高いところに位置しているようで街が一望できる。
「待ってくれ、日本にこんな場所があったらとっくに世界遺産に登録されてるぞ」
信じられない。
ふと窓ガラスに映る自分の姿が目に入る。
「え?なんでおれ金髪なんだ?」
「しかもめっちゃイケメンだし....」
俺の姿とは全く別人がそこには映っていた。
あ、多分これ疲れてるか、滑落した影響で脳の何かが壊れてるわ。
もしくは.......俺は転生というものをしてしまったかもしれない。
いや、なんならそう考えると全てが上手く繋がる。
「まぁいい、一旦家族に会うぞ」
俺はそのまま部屋を出て、長い長い廊下を進み、やっと大きな部屋にたどり着く。
恐らくここが食事をとる場所だ。
「おはようアルクス、よく眠れたか?」
これは多分お父さんだ。見ただけでわかるイケおじ感。
「はい、よく眠れました」
だって崖の下で永眠したからな!
お父さんの隣でにっこりと微笑む女性は恐らくお母さんだ。
「座りなさい、今日の入学式の代表挨拶楽しみにしているよ」
ん?入学式?今日?
俺は学校に入学するのか?
「はい」
ヤバい、もうそろそろ会話が出来なくなる。
俺は机の上に並べてある、高級レストランで出てくるような料理たちや部屋の作りを見て、この家族の大体の資産を察した。
多分俺は貴族の息子に生まれ変わったな。
しかも結構いいところの坊ちゃんだ。
入学式で挨拶をするって言ってたけど、その学校も貴族学校とかなのだろうか。
俺は急いで料理を食べ干す。
美味すぎるって言うのもあるが、何より早くここから去りたかった。
「ご馳走様でした」
「今日は食べ終わるのが早かったな」
「早く学校の準備を済ませてきなさい」
「はい!」
俺はそのまま食堂を後にした。
少し気になったのが、机にもう一人分の料理が並べらていた。
恐らく俺には兄弟がいるのだろう。
まだ会えてないということは、今ごろはまだ眠っているのかもしれない。
でも今はそんなこと考えている余裕は無い。
えっと.....まずは制服を着て、あ!荷物はここにまとめてある。
よし!これでひとまずいいんじゃないか?
どこに学校があるかは分からないけど、とにかく家を出るか!
「いってきます」
俺は思い扉を押し開けて、外の空気を思いっきり吸う。
ああ、やっぱり空気が綺麗だ。
このくらいの文明レベルだと平和でいいな。
俺はそのまま街の中心部へ向かう道を歩き続け、学校らしきところに着いた。
いかにも入学式って感じの空気に包まれていた。
「ごきげんよう、アルクス君」
ご、ご、ごきげんよう?
なんだその挨拶は、最近のVTuberでもそうそう見ないぞ。
「おはよう...」
それにしても校舎内に入るとたくさんの人に挨拶をされる。
やっぱり俺はいいところの坊ちゃんなのかもしれない。
そのまま校舎内を歩き、やっと入学式会場に着いた。
普通体育館とかでやるんじゃないの?こういうやつ....
今俺の目の前には結婚式場並に豪華な建築物があった。
ここで入学式って本格的にこの学校やばいな....
この時、俺はこの学校が真の貴族学校であることを知った。
自分の席につき、しばらく待つと式が始まった。
「入学生代表挨拶、フィータル・エレン・アルクス!」
俺のことか?あまりにも名前が豪華すぎるがまぁいい。
「はい!」
俺はステージに立つと、カバンから見つけ出して登校中に必死に暗記した台本通りのセリフを述べた。
会場からは拍手が巻き起こり、俺は席に戻る。
その後も式は順調に進み、無事に閉式を迎えた。
式が終わると、俺たちはそれぞれのクラスに向かった。
先生の長いホームルームが終わるとクラスメイトたちが一斉に俺の席を取り巻く。
「アルクス君、今日一緒にご飯食べましょう♪」
「私も一緒に食べわたいわ」
「昼休みはなにか予定はあるのですか?」
あぁぁ........
俺はどんな名家に生まれてしまったんだ?
次々に俺への言葉が飛び交う中、その連鎖を壊してくれる者があらわれた。
「その方は私の婚約者です、近寄らないで貰っていいでしょうか?」
人だかりの奥から聞こえたその声の持ち主は.....
超ブスカビゴン体型女だった。
俺はまともに恋愛も出来ないのか....?
だめだ、もうダメだ。
この学校でやって行けるわけが無い。
決めた!俺は貴族を辞めるぞ!
こうして俺は入学式当日に退学届けを提出した。
俺の家から徒歩10分の庶民学校、そこで俺は恋愛をするんだ!
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次回もお楽しみにー




