パーティー、ドラゴンを助ける(4)
たった一回のために膨大な魔力を練っているうちに、サラの両手は自然と胸の前で組み合わされていた。
サラが失敗したら、エヴァもアレンもドラゴンも、限界まで戦っている全員が危険に晒される。
どうか治ってほしい、絶対に治ってほしいと祈るうちに、ふと、こんなに真剣に祈ったはいつ以来だろうとサラは思った。
教会で聖女をしていた頃には、魔法を使えば治って当たり前という反応で、サラ自身、それほど悩んで魔法を使っていた覚えはない。
考えている暇もないくらい次々怪我人や病人は来ていたし、他の仕事も山積みだった。
冒険者になって、魔法が戻ってきてからはそれほど無理をしたこともないし、二人もサラに無理をさせたことはなかった。
いつもエヴァ一人が戦っていて、エヴァはサラの魔法や料理に感謝の言葉を言うけれど、サラの魔法もアレンに強化してもらっているもので、サラ一人の手柄ではない。
でも今、サラに全てがかかっている。
失敗したとしても二人はきっとサラを責めない。
けれども、サラを信じて託してくれた二人の期待に応えたいという気持ちが、サラを支えていた。
サラにほとんどの魔力を渡したアレンは、膨大な魔力を練り上げるサラに舌を巻いた。
以前の仲間たちには取るに足らない魔力だったとしても、今こうしてサラを通してドラゴンを救う可能性があると思うと、無意味に感じていた自分のスキルも誇らしかった。
「僕だって!」
水たまりのボーダーラインを越えてエヴァが打ち漏らした一匹がサラに向かう。
アレンは持っていた水筒の水をサンドセンティピードにぶちまけた。
「いくら外皮が硬くても、節の隙間は弱いっていうのがセオリーだろ!」
水にもがき苦しむサンドセンティピードの頭の付け根に、全体重を乗せてナイフを突き立てる。
大きな体が硬直し、地面に横倒しになった。




