パーティー、草原地帯へ行く(2)
案内されたのは街の中でも行政を行っていると見られる周りより大きな建物だった。
男は街の代表者だった。
窓からも水気を失って枯れた街がよく見えた。
大きな窓は本来、外からの爽やかな風を取り込むために作られたのだろう。
「街と周囲の様子はご覧になった通りです。これまでは乾季でさえ月に2度は雨が降る地域だったのですが……」
最後に雨が降ったのは二か月も前、それもささやかに地面を濡らした程度だという。
「湖の泥水さえ住民同士で分け合ってなんとかしのいできましたが、もう限界です。そこにサンドセンティピードの大発生ときては……」
「もっと早くに依頼を出さなかったのですか?」
男は首を横に振った。
「出したのですが、道中の大量のサンドセンティピードに阻まれたそうです。あなた方こそ、よくぞ辿り着いて下さった」
そういえば川向こうにはいたな、と三人は思い出した。
道中も数匹倒したが、阻まれるというほどの数ではなかった。
特別魔物避けをしていたわけでもなかったが、サラの幸運力によるものらしい。
この地域の情報を思い出していたアレンは、湖を見た。
「以前、ここの湖はウォータードラゴンに守られていると聞いた覚えがありますが……」
「そうです。気性の大人しい、美しい青いドラゴンでしてね……。よく湖に現れては、水浴びをしていて……。あのドラゴンがいたから、草原の魔物も街に近寄ることはありませんでしたし、我々もドラゴンを守り神として大切にしてきました……」
湖から視線を外すと、まだ少し緑の残る山が見える。
「あの山のどこかに棲み処があると聞いたことがあります。しかし、雨が減り始めたころから姿を見せなくなり……」
男の目には、かつての美しい姿の湖が見えているのだろう。
窓から見える湖を見て、ため息をついた。
ひとまず三人は山にいるであろうドラゴンを探してみることにした。




