元公爵令嬢、スキルを覚える(3)
サラが考えようとする隙を与えず、エヴァはさらに力説する。
「そうなると、あなたの装備を整えることが結果的にわたくしやアレンのためになりますわね」
エヴァの言い分は妙な説得力があって、サラはエヴァが正しいような気分になってきた。
「そうでしょうか……」
「他にもあなたが十分に料理が出来る道具や環境を整えることは、わたくしやアレンにとって必要なことですわね」
「たしかに……?」
サラへの説得に巻き込まれはじめたアレンも、エヴァの主張は筋が通っているように思えてきていた。
「アレンの装備も同じですわ。二人の装備を整えることは巡り巡ってわたくしのため。つまりわたくしがわたくしのためにわたくしが得た報酬を使うに等しいことなのですわ!」
エヴァの迫力に気圧されたまま、二人は装備や調理器具の新調に頷いていた。
流されてしまった気がしてならないサラの目に、ふとエヴァのステータスが飛び込んできた。
「スキル……?」
ちかちかと光る文字は、新しく加わった能力を示している。
【スキル:高飛車】
効果:高圧的な態度で相手に意見を受け入れさせる。内容・相手のレベルによって通用しない場合もある。
あまりにもエヴァに相応しいスキルで、サラは勝ち目のなさを悟った。
これがエクシリアード・リブレの帳簿に装備貯金の欄が加わったきっかけであった。




