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元公爵令嬢、スキルを覚える(1)

エクシリアード・リブレは今日も元気にギルドの依頼をこなしていた。

いくつかのダンジョンを渡り歩くうちに、パーティーの名前はギルドを通じて知名度を増していた。

新しい街に到着してギルドに挨拶すると、あちらから是非と依頼を持ち掛けてくるほどである。

今回もギルドの依頼で、凶暴なランドビーディーを一掃してきた。

しかし、エクシリアード・リブレの内情ははっきりと伝わっていない。

それというのも、剣士がパーティーの攻撃の要かと思えば、当の剣士は、

「わたくしの力ではありませんわ」

と答えるし、では聖女を中心とした聖騎士団かと思えば、

「私に大した力はありません」

そうして控えめに笑うところはとても謙遜しているようには見えない。

それならば魔法使いがいるはずと声を掛けても、

「僕はサポートするしか能がないお荷物だから」

他のパーティーと組むこともないために、誰も彼らがどうやって魔物退治をしているのか目撃したことがない。

それでも実際に依頼は希望通り以上にこなしてくるし、ダンジョンでも成果を上げている。

他のパーティーからエクシリアード・リブレのことを訊ねられてもギルドの受付でさえ首をひねるので、一部では極秘任務を負ったどこかの国の精鋭なのでは、という噂まで流れ出している。

それはいつからか囁かれ始めた、勇者パーティーの進行の遅れと共に語られつつある。

当のエクシリアード・リブレのメンバーは今まさに報酬の取り分で揉めている真っ最中だった。

「ですから! アレンこそが受け取るべきだと言っているのですわ!」

「そうです! アレンがいなかったらランドビーディーの危険な前足を防ぎきれませんでした!」

「それを言うなら結界の発動が早いサラこそ報酬を受け取るべきだ! 僕を守りながら動き回るエヴァにも的確にシールドを張っていた!」

「私はそれしかできません! 実際にランドビーディーを全て倒したのはエヴァです! エヴァとアレンが受け取るべきです!」

「わたくしの実力など実際は半分以下ですわよ! 鑑定したから自分の魔力量と魔法の消費魔力も把握しておりますの! サラが守ってくれなければ大怪我どころの話ではありませんし、アレンのサポートがなければ最初の二頭で魔力が尽きて引き上げてますわ」

「魔力はあくまでも武器にすぎない! それを使いこなす才能と努力があってこそのものだ!」

ランドビーディーは頭数も多く、交通の要所である平原に群れを作って人や物の行き来に支障を来していたから、早々の解決をギルド長からも感謝された。

街を治める伯爵からも追加の謝礼が出たために、誰が多く受け取るべきか、三人が三人とも相手こそが受け取るべきだと主張してはばからない。

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