お荷物を追い出した勇者パーティー(4)
ミスティックレジェンツはこれまで通りと同じ感覚で10階層まで降りてきた。
前回よりやや疲労感もあるが、エリカの弓矢は魔物を一発必中で倒したし、ギヨームの拳はどんなに硬い岩も砕いた。
「やっぱり前回はダンジョンが簡単すぎて集中できなかったんだな」
前回より少し手間取ったが、10階層まで危なげなくクリアして、パーティーのレベルの高さを見せつけた。
ケリーも近距離向きの短刀二刀流でメンバーに負けない戦果を上げた。
「やるじゃない」
「まあね」
そのままミスティックレジェンツはダンジョンを降り続けた。
「ちょっとエリカ! 精度が落ちてるんじゃないの!?」
「同じようにやってるわよ! やってるのに……!」
15階層も過ぎると魔物はかなり手ごわくなっていた。
「ああもう疲れる! なんなの!」
安全地帯を見つけて全員座りこむと、ナタリーがすかさず回復魔法をかける。
「見たことない魔物もいたもの。ルートもほとんど開拓されてないし、やっぱりここは難度が高いのよ」
未発見の隠し部屋もあったし、落ちる素材も高く売れるものばかりだ。
収穫が無いわけではないが、特に苛立っているのはアイーダかもしれない。
彼女は先程、また自慢の大魔法が微妙な威力で終わってしまったのだ。
勇者パーティーの大魔法使いとして、あるまじき失態だった。
ギヨームも拳の痛みに耐えかねてこっそりポーションを飲んだ。
魔力で肉体を強化し、過去には魔王の部下を一騎打ちで打ち取ったこともあるギヨームだ。
ダンジョンの魔物ごときで負傷したなどと、口が裂けても言えなかった。




