お荷物を追い出した勇者パーティー(1)
「なによこれ、なんなのよ……っ!」
アイーダは逃げまどいながら半泣きになっていた。
「なんで、こんな!」
***
メンバーを入れ替えた勇者パーティーことミスティックレジェンツは、新メンバーであるケリーの歓迎と連携の確認を兼ねて手近なダンジョンに潜っていた。
パーティーのレベル的にもそれほど難しいダンジョンではない。
「準備はいいな?」
ニコラスが確認したが、メンバーの誰も真剣に受け取ったりしない。
こんなダンジョンに準備もなにもない。
階層も多くないし、数日で踏破出来る。
以前にも踏破しているので、ついでに素材やアイテムを回収して小遣い稼ぎをする散歩のようなものだった。
「ねえ、誰かあたしのお弁当取ってきてくれた?」
「はあ? ナタリーの弁当なんて知らないわよ」
エリカに言い返されてムッとした様子を見せたナタリーだが、そもそも弁当の注文を出していなかったことを思い出して口をつぐむ。
「まあまあ。お腹空いたら、私の食料を分けてあげるよ」
「干し肉くらいでよかったらオレのも分けてやるよ」
アイーダが二人をなだめてギヨームが冗談めかして場を和ませる。
ミスティックレジェンツはいたって気軽にダンジョンに踏み入れた。




