サラ、復活する(2)
森を抜ければ次の街が見えるというところで、三人は運悪く魔物の群れに襲われていた。
これまでは出来るだけ1対1か2程度で戦えるようにしてきたので、群れを相手にするのは初めてだった。
アレンとサラは身を隠して、エヴァがアレンの支援を受けつつ次々魔物を倒していたが、数が多い。
エヴァの魔法の隙間をぬって、数体の魔物がアレンとサラに襲い掛かった。
「逃げて!」
エヴァが叫んだ。
エヴァは防御系魔法が使えない。
だからこれまで魔物と戦うときには相手を十分選んだし、二人は安全な距離まで下がって待機していた。
魔物の爪がサラをかばったアレンを切り裂く。
続けて向かってきた恐ろしい爪と、背中から血を流して倒れてきたアレン。
遠くに必死の形相のエヴァが見えて、サラは両手を握りしめた。
以前はやれと言われるままに使っていた魔法。
だんだん弱くなり、使えなくなってしまった魔法。
どうやって使っていたもか分からなくなってしまった魔法。
もしエヴァやアレンが言うように、本当に魔力が戻っているなら。
自分たちを包む球体のイメージを強く念じて、サラは叫んだ。
「結界!」
いつまでも襲ってこない爪に恐る恐る目を開けると、サラとアレンは透明な光の球体に包まれていた。
「良いですわよサラ! そのまま維持して!」
球体に群がる魔物をエヴァは容赦なく切り捨てた。
エヴァの背中を見送りながら、サラはアレンに触れる。
傷はそれほど深くない。
祈るようにサラは唱えた。
「……治癒」
光の粒がアレンの傷に集まり、傷は血のあとを残してすっかり消えてしまった。
アレンがゆっくりと目を開けるのを確認して、サラは深く息を吐いた。




