アレン、白状する(1)
アレンは諦めて息を吐いた。
「魔法が使えないのは本当なんだ。体内の魔法回路が生まれつき壊れているんだよ」
アレンの体は、体内に魔力を溜める貯蔵庫と、それを自分の魔法として放出するための流す道が繋がっていなかった。
壊れている道を治そうとしてもダメだった。
どんな高名な魔法使いや教会に相談しても、生まれつき壊れていた、というより欠けているものを治すことは出来なかった。
冒険者は少なからず魔法を使う。剣士や武道家でも。
魔法が使えない彼は、自分のアイテムボックスを開くことすら出来ず、冒険者としての役職をなにも持つことが出来なかった。
「エヴァに掛けていたのは、魔法ではなくスキルなんだ。前のクセで無意識に掛けてしまっていたんだけど……」
皮肉なことに、アレンの魔力は膨大だった。
アレンのスキル【魔力譲渡】は自分の魔力を味方に譲渡することが出来る。
これならば、せめて味方の魔法使用回数や効果を上げることが出来ると信じて、冒険者になった。
そこまで聞いてエヴァは首をかしげた。
「前のパーティーでは、その【魔力譲渡】を使っていませんでしたの?」
「いや、使っていたんだ。でも、彼らは勇者パーティーでみんな優秀だったし……きっと僕の【魔力譲渡】なんて、意味がなかったんだろうね」
加入するときの売り込みとしてスキルの説明をしたときには、魔力回復ポーションが少なくて済む、とか、大規模な魔法が使えればダンジョン攻略もしやすくなる、と喜ばれたはずだった。




