追放パーティー結成(1)
サラは考え込む表情になって視線を落とした。
「私……私は、今は聖女としての魔法はなにも使えません……。パーティーだなんて……」
「かまいませんわ」
エヴァはテーブル越しにサラの両手を握る。
「どちらかというと、欲しいのは実用的な生活能力ですわ」
「生活能力」
アレンも力強くうなずく。
「これから旅をしたりダンジョンへ入ったときに、実は必要になるのは生活能力なんだ。他はマジックアイテムなんかがあればなんとかなるけど、食事とかちょっとした身の回りのこととか……これでつまづく新人パーティーは多い」
料理をするための鍋や火があっても、調理をすることが出来なければ食事は用意出来ない。
街から遠く離れた森の中で、汚れた服を洗うのも生活能力なのである。
勇者パーティーにいた間は、最初のうちはアレンも食事の支度をしていたが、アレンが作る簡単な料理はパーティーメンバーの口には会わなかったらしく、みんなアイテムボックスに気に入りの店の弁当を入れるようになった。
どちらかといえばアレンの仕事は、出立日に合わせて店に弁当を注文して、受け取りに行くことだった。
「あなたの話を聞いていてピンときましたのよ。あなた、聖女であってもそれほど豪華な生活をしていたわけではありませんわよね?」
「そうですね、他の修道女と変わらない生活だったのではないかと思っています。もちろん、屋根と眠れる場所があり、着るものや食べるものがあるだけありがたいことだとは理解していますが」




