二人組パーティー、聖女を拾う(1)
身軽な二人の足は速かった。
悲鳴のした方向に走ると、まさに今少女が狼型の魔物に追われていた。
「覚えたての魔法を使うチャンスですわね!」
先に飛び出したエヴァは剣に炎を纏わせる。
「ファイヤーソード!」
炎の剣は狼の頚を一刀のもとに切り落とした。
「グレイウルフ……低レベルとはいえ、こんな人里近くまで来るなんて……」
少女を助け起こしたアレンが眉を寄せる。
「アレン、わたくし、たった今あなたに聞きたいことが2,3出来ましたわ。でも、その前にそちらの方を街に連れて行くほうが先かしら」
少女の泥だらけの服は、とても旅装には見えない。
服も靴もボロボロで、靴底など半分はがれている。
二人はグレイウルフをアイテムボックスに押し込み、街に引き返したのだった。
***
「助けて頂いてありがとうございました。私はサラ・ヴァレーといいます」
エヴァの逗留する宿で汚れを落とし、エヴァの見立てで用意した新しい服に着替えた少女は、深々と頭を下げた。
「あちこち傷だらけではないですの。食事も必要ですけれど、まずはこちらを飲みなさい」
低級ポーションを飲ませると、たちまち全身の細かな切り傷や擦り傷が治っていく。
「なにからなにまで、ありがとうございます」
サラと名乗った少女は、町娘というにはどことなく洗練された雰囲気があり、貴族にしては庶民じみている。
どうにも放っておけない雰囲気のあるサラに、アレンとエヴァは顔を見合わせた。
「ええと、君は……どうしてあんな場所に?」
「聖女を首になって、街道に捨てられてしまいまして」
「ええ……」
聖女といえば、アレンやエヴァも存在は知っている。
「つまらない身の上話になりますけど……」
サラは聖女を首になった経緯を話し始めた。




