表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 櫻美
9/32

その九

私には明美と実はもう一人幼馴染が居た。

明美も良く知る男で名は聡太と言う。

この男と明美と三人で幼稚園から高校まで

ずっと三人一緒だった。家も近くで親同士も

仲が良く学生時代からの付き合いだと聞いた。

そして、聡太には二歳年下の妹が居り

それが佳代だった。

私は妙に妹と呼べる存在を羨ましく思い

必要以上に佳代の事を可愛がっていた。

私達三人と佳代を交えて四人で遊ぶ事も多く

あんまり一緒に居ることが多いので

兄である聡太は本人には言えない様だったが

もしかすると学校で友達付き合いが

上手くいかないんじゃないかと心配していた。

それを、明美と私とで考えすぎだと

慰めるのがいつものやり取りだった。だが兄は

思春期の女の子がいつまでも兄やその友達とばかり

付き合うのはやっぱり心配だったらしく

ある日、学校の帰り道に佳代に学校の話を

ちょっと探ってはくれないかと相談された。

自分で聞いてみても問題ないだろうと言うと

兄弟だと中々本音で心の内や

踏み込んだ話は出来ないもんなんだと言われ

兄弟がない私はすんなりそう言うものかと

聡太の頼みを引き受ける事にした。

だが、引き受けたのはいいが

怪しまれたり勘付かれる事を恐れた私は

二人で話すきっかけをどう作っていいか悩んだ。

そして、聡太にお願いされてからあっさり

二週間ほど経った頃にその悩みは突然

解消される事となった。

いつもの様に四人で聡太の家で話していた時

その話題は佳代の高校受験の話になった。

話が進むに連れて聡太が私に勉強を

見てもらったらどうだと、佳代に提案した。

佳代はその提案に前向きで、明日にでも

みてもらいたいと言った。次の日

学校が終わってから早速佳代を訪ねて

家へと向かい親も聡太も居ないので広い一軒家に

佳代と二人っきりになった。だが、この日は

結局話出せずにただただ勉強をみてやって終わった。

二時間程勉強をして、時計を見ると午後七時を

過ぎていたので今日は帰る事にした。

二階の部屋から一階に降りて玄関に向かう前に

佳代の両親に挨拶を済ますと、

「夕飯、食べて行かない?」

「有難うございます。でも、今日は帰ります。」

「あら、そう?遠慮ならしなくていいのよ?」


そこまで言ってくれたが、何だか疲れたので

会釈だけして帰る事にした。

玄関から出ると佳代も家の前まで出て来た。


「今日はどうも有難う」

「うん、それじゃ」そう言って動き出してからすぐ


「次はいつ?」

「勉強の事?まだどこかわからなかった?」

「うん。明日も来てよ」


明日もか、少し骨が折れるなと

思っていると服の裾を二、三度引っ張られ

「都合が悪いの?」

「いいや、」

「いいでしょ?明日もまた来てよ」


用事もなく、時間は余っているので

明日も佳代に時間を費やす事にした。

少し強引ではあったが、愛おしく思った。

帰りに指切りまでさせられてとぼとぼ

街灯の下歩いていると家に着くまでにある

公園を横切って歩いていると、公園の街頭の下に

人影をみとめた。その二人の影はやがて重なり

すぐに離れたと思ったらまた重なった。

公園を通り過ぎる頃に漸く二人の姿がはっきり見え

それは紛れもなく、幼馴染二人だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ