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「くろ丸」③

   ◇


「こら! ここに来るんじゃないって、言っただろう!!」

 ばあちゃんの怒鳴り声で目を覚ましたくろ丸は、一瞬、自分がどこにいるのか分からず、キョロキョロしたが、母ちゃんに抱かれて眠っていたことに気付いて、ブルブル震えだした。


「待ってお母さん。くろ丸ちゃんは、私を助けてくれたのよ。ひょっとしたら‥‥この子も。」

 お腹を撫でながら言う母ちゃんに、

「何を言っているん‥‥」

 言いかけたばあちゃんも、この頃見たことも無いくらいに顔色が良い母ちゃんの顔を見ると、驚きの表情に変わった。

「ほ、本当なのかい?!」

「うん。夕べは、私のために一生懸命だったのよ。」

 母ちゃんは優しく、くろ丸を撫でている。


「おい! 誰か薬師を呼んできておくれ! 急いでだよ!!」


    ◇ 


「信じられませんが、これならもう安心でしょう。」

 診察を終えた薬師は、不思議なものを見るような目で母ちゃんのお腹を見ながら言った。

 実は先日の診察の後、「お腹の子は、あきらめた方がいいかも知れません。これからは母体の安全のことを考えましょう。」と、ばあちゃんに伝えたばかりだったのだ。


 そして、

「ヒーリングの力を持つ守魔がいる、という話を聞いたことがあります。この子はそれが特に強いのでしょう。」

 ホルスの膝の上でウトウトしているくろ丸を撫でながら教えてくれた。


「君は、もう少し大きくなったら、私のような薬師のところに修行に来なさい。この守魔を活かせる仕事に就いたほうがいいと思うよ。」

 薬師は、帰り際にホルスに向かって笑顔で言ってくれた。



「悪かったよ。許しておくれ。」

 薬師が帰った後、ばあちゃんがホルスとくろ丸に謝って来た。


 くろ丸は、ばあちゃんの顔を見上げると、まだ眠そうに大きなあくびをした。


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