1話:足りない少女
少し暗めな物語です。
「ねぇ、生きてて私のことを忘れないで・・・。私はキミが好きだよ・・・」
「待って!・・・」と夢を見る少女。
そして、何もない空間に少女は急に目覚める。
凛とした空気が流れる所で、私は目を覚ます。
白い空間?と疑問に思う。
記憶が曖昧で、何が起きたのか分からい位。でもわかるのが一つだけある。それは見た目だけ。
わたしの見た目は白銀の白色髪に、美しい紺青の目をして、14~15ぐらいの女の子。まるで市販に売ってる人形みたいに。
でも、少しだけ違うのが・・・・、人間みたいな人形だということ。ロボットではなく、生きてる人形。考えることも、思うこともできるし・・・、つまり思考判断力ができるということ。
それと、自分の名は思い出せないみたい。
取り合えず、歩き回ってみよう。歩いたが同じ所をぐるぐる繰り返しているだけだった。
やっぱり、何もない空間?と考え始める。ただここでずっと待ってろと言われてる気がする。
本当に何もかもないままのところ。それに寒い。
こころから出られないなら待ってるしかないということ?
ー数分後が経過するー
何分か経って、待ったが何も起きなかった。でも、わたしの頭に声が入ってきた。
その待ち時間だったみたい。
「あー、あー、伝わってる?大丈夫そうだね」と聞こえてきた。
その声は、女性の声だった。
この声どこかで聞いたことがある・・・。何だっけ?と思い出すように考える。
でも、わたしの記憶にはモザイクがかかる。考えてもでなかった。だけど、わたしは知ってると。
「別に、無理して私のこと思い出さなくていいよ。No.Eちゃん」
No.Eって何?呼び名?私のことかな?
「初めまして、私は貴女たちの主人、ゲームマスターでもある、flirt。呼び名は何でもいいよ。よろしく!」
flirtって確か・・・いたずら好き小悪魔とか人をもてあそぶとかだったけ?
「貴女たちは、この私フラートが管理してるよ。私が命令したことは絶対で、逆らえないよ。もし、下手に逆らったらどうなるかというと罰ゲームを食らうことだから、気を付けて!」
命令?逆らったら罰ゲーム?どういうこと?あのフラートに逆らえないということか。なんか、企みがある?
それに、命令は従えということか。
「そして、この日、今回、本日集めた6人、No.Aちゃん、No.Bちゃん、No.Cちゃん、No.Dちゃん、No.Eちゃん、No.Fちゃんにいろんなゲームをしてもらい、デスゲームしてもらう!」
「デスゲーム?」とつい声が出たてしまった。
わたしは愕然とした。まさか、あのデスゲームをするということ。一回どこかで聞いたことがあるが、霧がかかり思い出せない。
「そう、No.Eちゃんが言った通り、デスゲームだよ。誰が死んで、誰が生き残るかのものだよ」
この人、本気で考えてるのか?死ぬゲームなんてやりたくないのに。
なぜか私は、ふとこう思った。もう、こんなことにしたくないと。
でも、仕方なく、受け入れることしかなかった。
「よし、そろそろ始めようかな?面白そうだし、よーいスタート」
この人が、フラートという名がなんとなく理解できた。
声が掛けられた瞬間、なんもなく、真っ白い空間がなくなり、みるみるうちに円卓テーブルが出てきた。そこに一人一人、6人が座っていた。
初めて見る顔なのに、なんか知ってる人たちだった。でも、記憶にはモザイクが掛かり、分からない。
そういえば、何か足りないと思えば、私の・・・・左腕と右の耳と片方のどちらかの肺がない。
なんでないのか不思議だった。
みんなもわたしと同じく、何かを失っていて、なんとなくここにいるみたいだった。
数分経つとまたあの声が聞こえてきた。フラートだ。
「さてと皆んな、集まったかな?さっきデスゲームとか言ったけど、肝心なルールをまだ言ってなかったね!」
(肝心なルール?デスゲームって普通、一個一個にゲームやステージがあるものなのになんで今なんだろう?)
フラートは説明を始めた
「このデスゲームはただのデスゲームじゃないよ。『生きる』か『死ぬ』か『殺す』といったものを含んでいるデスゲームだよ。通称『ライフ・デッド・キルゲーム』!」
フラートは説明を続ける。次はたぶんルールについて話すと思う。でも、その内容は想像もつかないルールだった。
「ルールは簡単!『生活』するだけ。生きて活動するそのままの意味だよ。もし死んだらそこで終了だし、生き残れば次の日を送れる。でも、全員死ねばゲームオーバーだよ。気をつけてね!」
(確かにフラートが言った通り、ルールは簡単だけど。簡単過ぎる気がするけど、気の所為かな?)
「あとは、やってはいけない事があった。タブーなのは、一人で逃げたり、私の言うことを聞かなかったらペナルティーがあるから。ペナルティーは言わない方がいいかな。あまりにも、残酷すぎるし」
(残酷なペナルティーって、どんなものか気になるが一人で逃げる方がもっと気になる。何故なんだろう?)
「あ、そうそう机にある紙、目に通して置いて。たぶん必要な事だと思うから。人には見せない方がいいと思うよ。じゃあ、終わり。解散!」
それぞれ、私を含くまない皆んなは、別の行動した。
私は円卓テーブルで、フラートの言う通りに紙を見る。
書いてたのは、名前はレナで、血液型O型で、破損部分は左腕と右耳、左肺と書かれていた。
わたしの名って、レナっていうのか。名前は思い出した。でも、これって、個人情報だよね?だから、見せるなって事だったのか。
それに、このデスゲーム、どっかでやったことがある。どこかで、誰かが、これ以上思い出すと気持ち悪いので思い出すのをやめた。
読んでいただきありがとうございました。