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屋上のバイオリニスト

作者: 花 美咲

山田真美子は、小学校6年生の時に父親を脳梗塞で亡くした過去を持っていた、高等学校に入学後、白血病との戦いから逃げてバイオリンに、のめり込む上級生の音野響と屋上で出会う。

生きる希望を捨ててる音野響に、生きる希望を持たせたい山田真美子のお弁当を持参しての、コミュニケーション作戦は、成功するか、成功しないのか。思いは音野響に通じるのか・・・


わたしの部屋にはバイオリンが置いてある、弾けもしないのにバイオリンがある。もちろん、弾けないのだから、このバイオリンの持ち主はわたしではない、このバイオリンの持ち主の影響で、わたしの趣味は、クラシック音楽のコンサートによく行く事だ。コンサートでバイオリニストの姿をみると、わたしの部屋に置いてあるバイオリンの持ち主、あの人の事を思い出す・・・

そう、忘れる事が出来ない、あの日の記憶・・・

あの思い出・・・

わたし、山田真美子やまだまみこが高等学校に入学後、間もなくして、中学校時代からの親友、新田茜にったあかね小田切愛子おだぎりあいこと一緒に、お昼のお弁当を食べようと学校の屋上に行ったんだ。

屋上への扉を開けた瞬間・・・

素敵なバイオリンの音色が・・・

そして・・あの人に出会った・・

一心不乱にバイオリンを弾いている男子生徒がいた、お昼のお弁当も食べずに一心不乱にバイオリンを弾いている。

邪魔にならないように隅っこでお弁当を食べる事にした。

素敵なバイオリンの音色を耳で聴きながら・・

お弁当を食べていると、親友の新田茜が、わたしに向かって言ってきた。

(真美子・・真美子・・)

わたしはすぐに・・・

(茜、どうしたの?)

そうしたら、茜が返答する。

(あの人、吹奏楽部の先輩じゃないかな、吹奏楽部にめちゃくちゃバイオリンの上手い男子生徒がいるって噂を聞いた事がある。)

親友の新田茜の言葉に、親友の小田切愛子も・・・

(その噂、わたしも知ってる。)

親友の新田茜も、小田切愛子も知っていて、わたしだけが知らなかった。

何故か、バイオリンを弾いている男子生徒とお知り合いになると言うか、お友達になりたいと言う感情が芽生え始めて、自然と、バイオリンを弾いている男子生徒の元へ・・

(ちょっと真美子、なにを・・)

親友の新田茜と小田切愛子の制止を振り切って、男子生徒の元へ向かった。

・・素敵なバイオリンの音色・・そして・・

バイオリンを弾いている男子生徒が、弾く手を止めた。

その時、わたし、山田真美子と、バイオリンを弾いている男子生徒が、はじめて目線を合わした瞬間だった。

わたしは、男子生徒に言った。

(お弁当、もう食べたんですか。)

男子生徒は無言状態だ、続けて、わたしは言った。

(先輩、吹奏楽部なんですよね、名前を聞いてもいいですか、あっ、わたし、1年5組の山田真美子って言います。)

男子生徒は、いきなり、バイオリンをケースにしまい始めた。

そして、わたしに向かって、こう、言ったのだ。


(僕の名前を聞いても意味がないよ、だって、僕は、卒業する前に、この世の中から消えてしまうからさ。)


意味がわからなかった、身体が硬直した。


そして、その時の悲しい顔は、今も忘れた事がない。

男子生徒は、あっと言う間に、バイオリンケースを片手に、屋上から去って行った。

男子生徒の発言に驚いた、わたしと茜と愛子、そして茜が・・

(死ぬって事なのかな?)

愛子が、続けて言った。

(同じクラスの同級生に、吹奏楽部の娘がいたよね。聞いてみようよ?)

(うん、そうだね。)

わたしと茜と愛子の意見が一致した、そして放課後・・・

同じクラスの、吹奏楽部の山崎純子やまざきじゅんこを呼び止めた。

(山崎さん、ちょっと聞きたい事があるんだけど、いいかな?)

わたしと茜と愛子が、山崎さんに向かって言った。

3人に囲まれた山崎純子が、わたし達に向かって返答する。

(なに、なに、どうしたの?)

茜が、続けて言った。

(お昼休憩の時に屋上に行ったんだ、そうしたら、バイオリンを弾いている男の先輩がいたんだけどさ・・・)

山崎純子は、コイツら知らなかったんだ的な目線で返答する。

(あ~、きっと、音野響おとのひびき先輩だわ、音野先輩は、ずっと屋上で、バイオリンの練習をしているからね。)

その時、わたし、山田真美子と新田茜と小田切愛子が、始めて、男子生徒の名前を知った瞬間でもあった。

続けて、山崎純子は言った。

(音野先輩の事が知りたかったら、1年2組に行くといいよ。音野先輩の妹のかなでちゃんがいるからさ、妹だったら何でも知ってるでしょ。)

(あっ、ちなみに、奏ちゃんも同じ吹奏楽部だからね。それと、奏ちゃんはピアノがすごく上手いよ。)

兄貴はバイオリンで、妹はピアノ、音楽一家かよ・・・って、素直に思った、わたし、山田真美子と新田茜と小田切愛子であった。

愛子が言った、

(1年2組に行って、妹に聴いてみようよ。)

続けて、茜が言った。

(この世の中から、消える発言の真意が知りたいし行こう。)

わたし、山田真美子は・・・無言で頷いた。

そして・・1年2組に到着した。

入学後、間もない違うクラスに行くと言うのは、なんか抵抗感があるが、そこは頼りになる茜であった。

茜がクラスに残っている生徒に向かって言った・・・

(すいませーん、音野奏ちゃん、いますかー?)

鉄の心臓の持ち主、茜、こういう時は頼りになる。

だから、わたし、山田真美子は親友をやっているのだと思う。

1年2組の女子たちが騒ぎだし・・・

(私が、音野奏ですけど・・・)

わたし、山田真美子と新田茜と小田切愛子の前に、音野響先輩の妹、奏が現れた。

初対面のはずなのに、平気で馴れ馴れしく喋り始めた茜であった。

(うちら3人さー、1年5組の、あっ、私ね、新田茜、この娘は小田切愛子、そして、この娘が、山田真美子、で、私たち、お兄さんの響先輩の事を知りたいんだ。)

何故か・・・驚いた表情の奏であった・・

(兄貴と・・兄貴としゃべったんですか?)

驚いた表情に困惑する、わたし、山田真美子と新田茜と小田切愛子の3人・・・

続けて・・奏が言った。

(教室じゃー喋りにくいから・・・)

奏は、同じクラスの友達に向かって言った。

(ごめん、私、今日のサイゼはパスする。先に帰ってて、ちょっとこの娘達と用事が出来た。)

奏の友達は心配そうに、こっちを見ながら・・・

(うん、わかった。)

奏は、わたし、山田真美子と新田茜と小田切愛子に向かって言った。

(渡り廊下にでも行きましょう・・・)

渡り廊下に向かって歩く奏を先頭に続いて歩く、わたし山田真美子と新田茜と小田切愛子であった。

渡り廊下に到着した奏と、わたし達3人、そして茜が喋りだした。

(響先輩が卒業式前に、この世の中から消えるって言ったんだ。一体どう言うことなのかな?)

続けて愛子が喋りだす・・・

(単純に考えたら、死ぬって事だと思うんだ。)

それに対して、奏が言った。

(この事は家族と学校しか知りません、他言無用でお願いします。)

奏は、そう言った後、軽く会釈をした。

続けて、奏が言った。

(兄貴は白血病なんです、医者から命は卒業式まで持たないと宣告をされています。)

衝撃の言葉に身体が凍りついた、わたし山田真美子と新田茜と小田切愛子であった。

更に、続けて奏が言った。

(私の父親は、プロのバイオリニスト、母親は、プロのピアニスト、音楽一家なんですけど、兄貴は幼少期からずっと父親を尊敬しているんです。)

更に、更に続けて奏が言った。

(数年前に白血病を発症したの、若さゆえに、驚異的なスピードで病魔の進行は進み、どんなに治療に全力投球をしても無意味だった。そして医者からの余命宣告、兄貴は、その時に残りの人生をバイオリンに捧げようと決意をしたそうです。)

わたし、山田真美子が言った。

(だから屋上でバイオリンか、お弁当を食べてる気配もなかったし、本当に残りの時間をバイオリンに捧げてる感じはあったね。)

続けて、奏が言った。

(兄貴はお弁当を学校に持参しません、お弁当を食べる時間もバイオリンを弾く事に、全力投球をしたいんだそうです。)

沈黙の、わたし山田真美子と新田茜と小田切愛子・・・

沈黙を打ち消すように・・・

奏が言った。

(屋上が常に解放されているのは、学校が兄貴の為に解放をしてくれているんです。屋上に行くなとは言いませんが、兄貴のテリトリーには侵入しないでもらえますか。?)

茜と愛子は沈黙だった・・・

でも、わたし山田真美子は自然と言葉がでた・・・

(わたしは、響先輩とお友達になりたいだけ、それくらい問題ないでしょ?)

奏はすぐ返答する・・・

(余命宣告されてる男子とお友達・・・笑わせないで、あなたも、あなたも、あなたも、兄貴の事なんか、すぐ忘れるでしょ、だったら最初から接触なんかしてほしくない。)

奏の言葉に直ぐ様反応する、わたし山田真美子・・・

(忘れないよ、素敵なバイオリンの音色、音楽初心者のわたしの心に残ってるし、友達になりたい気持ちは嘘じゃない。)

(・・・・)

沈黙の奏・・

わたし、山田真美子の一生懸命な発言に驚く茜と愛子、自分でも一生懸命な発言に驚いているのを感じていた。

最後に、奏が言った。

(あなたが友達になりたいのは、バイオリニストの音野響、単なる男子高校生の音野響、どっち、バイオリニストの音野響なら、あなたになんか絶対に心を開くはずがないわ。)

わたし山田真美子と奏の目線には、激しい火花が飛び散っている感じがしたと、後になって茜と愛子が教えてくれた。

茜が、この場を解散させるつもりで話し始めた。

(とりあえず、ありがとうね。事情はわかったからいいじゃない、ね、真美子・・・)

茜は、話の終着点がみえないと判断したんだろう。

ナイスフォローである・・・

そして、奏とわたし達3人は渡り廊下で別れた。


その夜・・・


音野家のリビングでは・・・

音野響の白血病の余命宣告から、これまで会話がなかった妹の奏が、ソファーに座っていた兄の響に語り始めた。

(兄貴、今日、学校の屋上で3人の女子たちに絡まれたでしょ、で、この世の中から消えるって言ったんだって、その真意を確かめる為に私のところに来たのよ。)

妹の奏の突然の会話に驚いた兄の響であったが、咄嗟に言葉を返した。

(・・・ああっ、確かに、絡まれたな。)

奏は頭を下げて謝罪をした・・・

(ごめんなさい、白血病の事を喋った、そして言った、兄貴のテリトリーに侵入にするなって注意をした。)

兄の響は妹の奏に対して軽く会釈をしながら立ち上がり・・・

(そうか、真実だし気にするな、俺は、もう寝るな。)

そう言うと、響は自分の部屋に戻った。

奏は、兄の響の背中越しに・・

(兄貴・・・お休み)

と、言って、奏も自分の部屋に向かった。

そして、夜が明け、次の日の高等学校のお昼休憩の時間・・・

バイオリンケースを片手に屋上に向かう音野響が、屋上への扉を開けた瞬間・・・


(響先輩、一緒にお弁当を食べませんか・・・)


音野響に声を掛けたのは、山田真美子だった。

山田真美子は、自分のお弁当と一緒に、音野響のお弁当も用意をして

音野響が屋上に来るのを待っていたのだ。

山田真美子に対して、音野響は言った。

(ありがとう、でもいらない。)

バイオリンケースを片手に、また扉に手を添えた瞬間・・・

(奏から聴いたんでしょ、俺に構うなよ。)

呟いた音野響に驚く山田真美子だったが、反応する前に屋上から颯爽と消えた音野響だった。

階段を下る音野響、そして、階段を登ってくる山田真美子の親友の新田茜と小田切愛子、すれ違い様に音野響は言った。

(君たち、あの娘に言っといてくれないかな、俺に構わないでくれって・・・)

いきなりの発言に驚く新田茜と小田切愛子、直ぐ様、返答しようとするが、音野響は颯爽と階段を下り、新田茜と小田切愛子の前から消えて行った。

新田茜と小田切愛子、屋上で山田真美子と合流した。

そして、茜が真美子に対して言った。

(お弁当、受けとって貰えなかったんでしょ・・・)

続けて愛子が言った・・・

(階段での響先輩、怒ってた感じだったしね。)

それに対して山田真美子は言った・・・

(わたしは諦めない、思いは通じる筈よ。)

そうして・・・お昼のお弁当を食べはじめる3人であった。


そして次の日の高等学校のお昼休憩の時間・・・


バイオリンケースを片手に屋上に向かう音野響が屋上への扉を開けた瞬間・・・


(響先輩、一緒にお弁当を食べませんか。)


そう・・・山田真美子がまた声を掛けたのです。


(・・・・)


無言の音野響・・・そして、そのまま屋上から颯爽と消えた。

階段を下る音野響、対して階段を登る新田茜と小田切愛子、すれ違い様になにか言われるのではないかと緊張する新田茜と小田切愛子、しかし、無言のまま、階段を下って行った音野響だった。


このパターンは半月も続いた、山田真美子の決意は相当な感じはするが、半月も経てば音野響は、屋上への扉を開ける事もなくなった。

音野響は、屋上でのバイオリン練習を諦めて、音楽室でのバイオリン練習に切り替えたのだった。

音楽室から素敵なバイオリンの音色が、音楽室の前の廊下に流れて・・

その音色に・・

(?)

違和感を覚えた女子生徒が足を止めた。

学校の食堂からお昼御飯を食べて、自分の教室に戻ろうとしていた音野響の妹の奏のクラスメイト、朝倉優子あさくらゆうこだった。

(このバイオリンの音色は・・・)

もしかして・・と思ったのだろう、音楽室の扉をそっと開けて覗くと・・・

(やっぱり・・・でも、どうして、奏のお兄さんが・・・)

朝倉優子は、音野奏の幼なじみである。無論、音野響とも面識があり、兄の様に慕っていた。

音楽室の扉が、そっと開いたのに気づいた音野響はバイオリンを弾くのを止めた。

(優子ちゃん・・・)

覗いていたのが朝倉優子だとわかった音野響は、咄嗟に朝倉優子に向かって言った。

(音楽室でバイオリンを弾いてる事、奏には黙っててくれないかな?)

(ごめんなさい、覗いたりして、でも、バイオリンの練習は屋上でしてたはずじゃー ・・・)

朝倉優子は、覗いた事を謝罪する素直な娘である、音野響も朝倉優子の性格をよく知っている。絶対に奏に言うだろう、だからこそあえて口封じをしたのだ。

朝倉優子は、音野響の表情から察する感情を読みとったのだろう。素直に・・・

(わかりました・・・)

そうして朝倉優子は、会釈をして音楽室を立ち去った。


その日の放課後・・・


朝倉優子は、音野奏に呼び止められた。

(優子、私に隠し事をしてるでしょう。)

朝倉優子は、お昼休憩の時間から放課後まで、音野響が音楽室でバイオリンの練習をしている事を、奏に言うか言わないかで悩んでいたのだ。

悩みが表情に表れる、その異変に気づいた奏は優子に言った。

(幼なじみだよ、なんでも受け止めるから言ってよね。)

奏の表情からさっする感情を読みとり、素直にお昼休憩時間の出来事を話そうと決心をした朝倉優子だった。


音楽室での出来事を正直に話した・・・


出来事を聴いた奏は優子に言った・・・

(兄貴には口止めの事は、私から説明するから安心して、ありがとう優子、やっぱり私たちは幼なじみだね。)

奏は、優子に言った。

(ちょっと1年5組に行ってくるから・・・)

奏は兄の音野響が、何故、音楽室でバイオリンの練習をしているのか直ぐ様理解した。

奏の怒りの矛先は、山田真美子、新田茜、小田切愛子に向けられていた。

1年5組の教室・・・

教室を後に帰宅する為に校門に向かおうとしていた、新田茜と小田切愛子を呼び止めた音野奏は・・・

(あれ、もう1人は・・?)

新田茜が答える・・・

(真美子は、アルバイトだから速攻に帰宅したよ、で、なんの用よ。?)

奏は、怒りを静めて言った・・・

(言ったよね、兄貴のテリトリーに侵入するなって、余命宣告をされている人間の邪魔をして何が楽しいのよ。?)

(・・・)

沈黙の新田茜と小田切愛子・・・

続けて奏は言った・・・

(山田さんのアルバイト先を教えなさいよ、兄貴には接触するなって文句を言ってやるんだから・・・)

新田茜が奏に言った・・・

(奏ちゃんさー、)

すると、奏が返事をする。

(なによー?)

続けて、新田茜が話しだす・・・

(響先輩のバイオリンの練習を邪魔した事は、素直に謝るわ、ごめんなさい。)

素直に謝って来た態度に対して奏は言った・・・

(もう、邪魔はしないで・・・)

続いて、小田切愛子が喋りだした。

(真美子の親友として、言いたい事があるわ?)

奏は答える・・

(なによ・・・?)

続けて、小田切愛子が喋りだした。

(真美子は、生命いのちの大切さ、尊さを他の誰よりも知っている。だって突然よ、ある日突然、小学校6年生の時にお父さんを脳梗塞のうこうそくで亡くしてるのよ。)

驚きの言葉に言葉を失う奏である・・・

新田茜と小田切愛子は、親友の山田真美子の事を語りだしたのだ。何故、いま、いないのか?、何故、アルバイトをしているのか、理由までも語り始めた。

(生きる事に失望する事、それは、生命に対してもっとも失礼な事、だからお父さんは生命あるかぎり、やりたいことは全部やる。)

この言葉が、山田真美子の父親の口癖だと、音野奏に語る。そして、決定的な言葉を新田茜が音野奏に説いた。

(響先輩、生きるって事に失望してる感じがするのよね、奏ちゃんも、そんな感じがするよ。?)

こころを見透かされた奏であった、兄の響が余命宣告を受けてから、何故、自分ではないのか?何故、バイオリンの才能がずば抜けている兄の響が死ぬ事になるのか?自分だったら良かったのでは?そうすれば父親も母親も悲しまないのではないのか?・・・

自問自答を繰り返し、兄の響が死ぬと言う現実を受け止める事が出来なかったのだ。

だから、なにも言えなかった。

沈黙の奏に、新田茜は更に言った。

(父親の口癖が、真美子の生きる原動力なの、父親が死んで家計が苦しくなってもアルバイトをして母親を助ける、そんな感じで響先輩にも、一生懸命に生きて欲しいんだと思う。)

(・・・・・)

沈黙の奏が口を開いた・・・

(兄貴の死が現実になる事から逃げていたのは事実だと思う、正直に言うと、ビアノのレッスンにも集中できない自分がいる。兄貴が死んだら後追い自殺をすることだって考えた事もある。)

顔面蒼白の奏に、新田茜は更に説く・・・

(バイオリニストの音野響、普通の男子高校生の音野響、そんなのどっちでもいいじゃん。真美子は、生命ある限り、一生懸命に生きて欲しいと思ってるからさ。)


一生懸命・・・


一生懸命に、ピアノのレッスンをして来ただけの人生の奏、兄の響に追い付け追い越せが目標の奏に、ピアノのレッスンだけではないぞ、自分らしく一生懸命に生きろと諭してくれたと言ってもいい言葉だった。

奏は脳裏で理解した、兄の響はバイオリンのレッスンだけの人生、私はピアノのレッスンだけの人生、それはそれで納得の人生と思っていたのが覆された瞬間だった事を理解した。


沈黙の時間が流れる・・・


そして、新田茜と小田切愛子は音野奏に言った。

新田茜は言った・・・

(真美子が、響先輩に恋愛感情があるのは間違いない。)

続けて、小田切愛子が言った・・・

(まっ、親友として応援をしてやりたい。奏ちゃんが真美子の恋愛感情を妨害するのは自由だ。よって、真美子のアルバイト先を教えてあげるし、文句を言いに行くのも妨害しません。)

笑顔の新田茜と小田切愛子に、音野奏は言った。

(じゃー、アルバイト先を教えなさい。)

・・・・・・・・・・・・

山田真美子のアルバイト先は、駅前のスーパーのレジ打ちだった。

夕方のスーパー、世の中のお母さん連中が晩御飯の食材を買いに来店をしているのだから、レジはお客さんで大混雑、悪戦苦闘をしながらレジ業務をこなす山田真美子のレジに、音野奏が客として並び、山田真美子に言った。

(アルバイトが終わったら向かいの公園まで来て、終わるまで待ってる。)

ミルクティーの缶ジュースを2つを買った音野奏は、そう言い残して客の渦に消えて行った。

・・・・・・・・・・・・

アルバイトが終わった山田真美子は、自分のアルバイト先のスーパーを後にして向かいの公園へ向かった。

ベンチに座ってる音野奏に声を掛けた山田真美子・・・

(ごめんなさい、待ったでしょ、でもなんで、わたしのアルバイト先を知ってるの・・・?)

山田真美子に気づき、ミルクティーの缶ジュースを山田真美子に放り投げた音野奏は言った。

(アルバイト、お疲れさま・・・それ、奢りだから・・・)

さっき、わたしのレジでお会計をしたミルクティーの缶ジュースだと思いながら、お礼を言う山田真美子だった。

(ありがとう・・・)

山田真美子のお礼に会釈をしながら、音野奏は今、何故、ここにいるのかを説明しだした。

(あんたの、助さんと格さんから、アルバイト先を聴いたのよ。)

助さんと格さんって・・・

水戸黄門かよって・・・

思いながら、山田真美子は言った。

(茜と愛子に聴いたのね、で、目的は、なに?)

颯爽と真意を問いただす山田真美子に、音野奏は言った。

(あんた、父親を亡くしてるんだってね、助さんと格さんから全部聴いたわ、兄貴の生きる屍状態に、同情?それとも愛情?・・・があるわけ?)

続けて、音野奏は言った。

(屋上でのバイオリンの練習を邪魔して、音楽室に追いやって、邪魔をして楽しいの?どうしたいの?何がしたいの?・・・答えて?)

語気を強める音野奏の発言に、山田真美子は答えた。

(バイオリンの練習を邪魔した事は素直に謝るわ、ごめんなさい。音楽室で、バイオリンの練習をしている事は知らなかった。わたしは、ただ、響先輩と仲良くしたいだけよ、仲良くに恋愛感情があることは否定はしないわ・・・)

山田真美子の表情を確認するかのように、音野奏は言った。

(あんたが、バイオリニストの音野響、普通の男子高校生の音野響、どっちを好きかなんて、もうそんなのどうでもいい、生きる屍状態の音野響を元に戻せれるのか。?)

その発言に少し考えながら、山田真美子は笑顔で言った。

(奏ちゃんは、響先輩の事が好きなのね。)

図星の音野奏は、赤面状態の無言になった・・・

音野奏の無言劇に、山田真美子は言った。

(人間の死に対して、本当にショックを受けた時は、人間は泣くのも忘れる。人間は誰しも死ぬ、こればかりは、みんな公平よ。でも、好きな人は、いつまでも生きると思ってしまう、それだけに、そのショックも大きいの、だから、奏ちゃんのショックは、わたしには理解できるよ。なんせ、父親で経験をしてますから・・・)

続けて、山田真美子は言った。

(バイオリンを弾く事で、現実から目を背ける感じがする響先輩には、まずはお弁当を食べてもらいたいの、生きて行く事に必要不可欠な食べると言う行為で、生きていると言う実感を思いだしてもらいたいと思っているわ・・・)

山田真美子に、兄の響を託そうと考えた音野奏は、自分と兄の響の過去を語りだした。


そして・・・夜が更けていった・・・


そして・・・山田真美子と音野奏は、それぞれ、自宅に帰宅した。

自宅に帰宅した音野奏は、兄の響の部屋をノックした。

部屋の扉が開く、突然の妹のノックに驚いた響は口を開いた。

(どうした、奏、なんか用か。?)

思い詰めた表情の奏は言った・・・

(話しがしたいから、部屋に入れてよ。)

思い詰めた表情の妹に違和感を感じながら、部屋に招き入れた兄の響は、朝倉優子の口封じ作戦が失敗をしたのだと悟る。

観念をした響は言った・・・

(優子ちゃんから聴いたのか?)

奏は答える・・・

(優子は悪くないからね、自白は、私が強引にさせた。それよりも、なぜ、屋上から逃げるの?山田真美子から逃げるの?)

逃げる発言に無言になる響に対して、奏は、気持ちを吐き出した。

(兄貴の白血病から、余命宣告から、私も兄貴も逃げてた。山田さんは、小学校6年生の時にね、ある日、突然、脳梗塞で父親を亡くてるそうよ。亡くなった父親の口癖が、生きる事に失望する事、それは生命に対してもっとも失礼な事、だから生命あるかぎり、やりたいことは全部やる。この父親の口癖が山田さんの生きる原動力になってるそうよ。だから、私も兄貴も、山田さんの生きる原動力をお手本にしないといけないと思うの。)

妹の奏の吐き出した素直な気持ちに、兄の響は、素直な気持ちで語り始めた。

(そうか・・・父親を亡くしてるんだ、俺もお前も彼女みたいなタイプに出会った事がないだろう、半月も屋上にいたんだからな、だからこそ屋上でバイオリンの練習が出来ないんだ。バイオリニストとしての意識が持続出来ない、それに、自分の身体だから実感するんだ。俺の生命は、もうすぐ終わる、屋上に行けば、単なる男子高校生に戻ってしまう恐怖が怖いんだろうな。)

兄の響の素直な言葉に、妹の奏は指摘する。

(兄貴、それって、山田さんが気になってるって言ってるのと一緒だよ。兄貴の歴代の彼女で、楽器演奏者じゃないのは初だね、パパもママも驚くよ。)

奏の言葉に、答えを出す響であった。

(奏、言ったろ、俺の生命はもうすぐ終わる。余命宣告から言って来てるだろう、俺は、バイオリニストとして死にたい。ただ、彼女には感謝をしている、普通の男子高校生の気分を思い出させてくれた事には感謝をしているし、少しでも生きたいと感情が湧いた。)

兄の響の、少しでも生きたい発言で、山田真美子が兄の響にとって少なからずとも良い影響を与えてると悟った妹の奏は、最後に言った。

(別に、音楽室に逃げなくたっていいじゃない、兄貴は学校の皆からなんて呼ばれてるか知ってるの?屋上のバイオリニストだよ、音楽室のバイオリニストとは呼ばれてないんだから、屋上のバイオリニストは屋上でバイオリンを弾かないと駄目だと思う。)

妹の奏の言葉を聴き終えた、兄の響は奏に頼み事をした。

(奏、兄貴の遺言を聴いてくれ、俺が死んだ後この練習用のバイオリンを彼女に渡してくれないか。人生の最後に良い思い出をくれたお礼としてさ、バイオリンしか知らない男は、洒落たことは思いつかない、それと寝る前の薬を飲む時間だから、もう話しは終わりにしょう。)

疲れてる表情の兄の響の様子を感じて、自分の部屋に戻ろうする妹の奏は言った。

(ごめんなさい、長話だったね・・・おやすみなさい。)

そして、妹の奏は自分の部屋に戻って行った。

後に、奏は後悔することになる。兄の響の疲れてる表情は、実は生命が風前の灯火だった事に、兄の響の死で痛感することになる。


次の日、高等学校、お昼休憩の時間・・・


音楽室の扉が開く、バイオリンケースを片手に、扉を開けたのは音野響、しかし既に山田真美子がお昼休みのお弁当を持参して待っていたのだ。

会うなり開口一番、謝罪をする山田真美子・・・

(ごめんなさい、わたしが半月、響先輩のバイオリンの練習の邪魔をしていたんですね。お詫びとして、お弁当を作って来ました、一緒に食べませんか。?)

山田真美子の素直な謝罪に対して、音野響は言った。

(音楽室でバイオリンを弾いていると奏から聴いたのか?)

素直に答える、山田真美子・・・

(はい、聴きました。)

素直な返事に、綺麗なこころを感じた音野響は言った。

(君と奏は、そんなに仲良しなのかい。?)

素直に答える、山田真美子・・・

(LINE、交換をしましたし・・・)

そして・・・

音野響は言った・・・

(明日、明日、作ってくれるなら屋上で食べるよ、今日はお礼の先払いで、君に演奏をプレゼントをするよ、聴いてくれるかい。?)

わたしだけの為に、音野響がバイオリンの演奏をしてくれる喜びは満面の笑みとなり、そして返事をした、山田真美子であった。

(もちろん、喜んで・・・)

満面の笑みの山田真美子に語る音野響・・・

(「エリーゼのために」と言う、ベートーヴェンが、1810年4月27日に作曲をしたピアノ曲なんだけれども・・・)

そう言うと、バイオリンケースを置き、颯爽と音楽室のピアノの椅子に座り、鍵盤に指が触れた瞬間・・・


「エリーゼのために」の音色が・・・


驚いた山田真美子、バイオリニストの音野響がピアノを弾いたんだから無理もない、しかし、山田真美子は知っていた、音野響の妹、奏と夜更けまで語り合った公園で、音野響はピアノも弾けることを聴いていたのだ。


「エリーゼのために」の音色が、音楽室の扉の向こうの廊下まで鳴り響き、廊下を往来する男子高校生、女子高校生が足を止めて聞き惚れてしまう程に、音野響のピアノの腕前は凄かったのだ。


「エリーゼのために」を弾き終えた音野響は言った。

(バイオリンではなくピアノだった事に驚いた?)

即座に返答をする山田真美子・・・

(いえ、奏ちゃんから響先輩は、ピアノも弾けると言う事は聴いていました。しかし、わたしは、響先輩のバイオリンが聴いてみたかったです。)

素直な発言の山田真美子に対して、音野響は言った。(バイオリンは、明日、屋上で弁当をご馳走になった後のお楽しみと言う事にしとこうよ。)

バイオリンを弾いてくれる約束をしてくれた音野響に対して、満面の笑みで返事をする山田真美子・・・

(約束ですよ、絶対ですよ。)


そして、お昼休憩の終わりのチャイムが鳴った。


チャイムを聴いた、音野響は山田真美子に言った。

(遅刻になる、教室に戻ろう。)

そして、山田真美子は返答する。

(はい、では、明日、屋上で・・・)


しかし、音野響の身体に潜む病魔は、音野響と山田真美子の、明日、屋上でお弁当を食べると言う約束を実現させなかったのである。


その日の夜、音野響は自宅の部屋で、帰らぬ人となった。第一発見者は音野奏、晩御飯の用意が出来たと部屋に呼びに行ったが返答なし、部屋の扉を開けたら、音野響は自分のベッドの上で帰らぬ人となっていた。

高校三年生になって間もなくの出来事、医者の卒業式まで生命は持たないと言う余命宣告が現実となってしまった。皮肉にも音野響が、今日、学校の音楽室のピアノで、山田真美子の為に、ベートーヴェンの「エリーゼのために」をピアノ演奏をした日が4月27日、そう、ベートーヴェンが、「エリーゼのために」を作曲をしたピアノ曲と同じ日なのである。

まさに・・・皮肉・・・

それにしても音野響が、何故、今日、山田真美子の目前で、バイオリンではなく、ピアノ、ベートーヴェンの「エリーゼのために」をピアノ演奏をしたのか、自分の生命の風前の灯火を頭で理解をした上で、自分の気持ちを表現をする為に、ベートーヴェンの「エリーゼのために」を選曲をしたのか、その理由は、音野響の死によって、もう永遠に謎になった。


次の日、高等学校、お昼休憩の時間・・・


屋上・・・


音野響のお弁当と自分のお弁当を持参をして、屋上で音野響の登場を待っている山田真美子・・・


屋上の扉が開く・・・


しかし、登場したのは、音野響ではなく、音野響の妹の奏であった。しかも、音野響のバイオリンを片手に持っている。

音野奏の登場に驚いた、山田真美子は言った。

(奏ちゃん、そのバイオリンのケースは・・・)

激しく動揺を覚える・・・山田真美子・・・

そして・・・現実を知る事になる。

音野奏の口から現実が語られた・・・

(兄貴は、昨日の晩に亡くなったよ。今日、山田さんとお弁当を食べる約束をしていたけど、約束は守れそうにないって、謝罪をしておいてくれとメモの走り書きがあった。だから、妹の私が謝罪をしに来た、そして兄貴との約束を守りに来た。)

山田真美子に向かって、バイオリンケースを差し出して、音野奏は言った。

(兄貴が言ってたの、人生の最後に良い思い出をくれたお礼として、このバイオリンを・・・バイオリンしか知らない男は洒落た事は思いつかないからって・・・)

悲しみの表情の奏に、山田真美子は涙ながらに言った。

(昨日は、音楽室でピアノを弾いてくれて、今日は、お弁当を食べた後に、バイオリンを弾いてくれるって約束をしてくれたのに・・・)

ピアノを弾いた兄貴と聴いて、なんの曲だったのかを山田真美子に問いただした音野奏であった。

(兄貴は、なんの曲を弾いてたの?)

音野奏の問いに答える山田真美子・・・

(たしか、ベートーヴェンの「エリーゼのために」と言う曲よ。)


ベートーヴェンの「エリーゼのために」


曲名を聴いた音野奏は、山田真美子に言った。

(「エリーゼのために」は、本来「テレーゼのために」という曲名だったの、悪筆で解読不可能など何らかの原因で「エリーゼのために」となったという説が有力視をされているの、本曲の原稿は、テレーゼ・マルファッティの書類から発見をされたの、テレーゼはかつてベートーヴェンが愛した女性だった。この説ではテレーゼ・マルファッティがエリーゼの正体ということになる。要するに言いたい事は、ベートーヴェンが兄貴で、エリーゼがあなたって事よ。)

音野響に愛されてたのかと思うと胸が熱くなり、ますます涙が溢れてきた山田真美子に対して、音野奏は意地悪をしたくなったのだろう、続けて言った。

(2010年、ドイツの音楽学者、クラウス・マルティン・コーピッツは、ベートーヴェンがソプラノ歌手エリーザベト・レッケル(ドイツ語版)のために作曲しているという仮説を自著で発表しているわ。この女性は1813年に作曲家ヨハン・ネポムク・フンメルと結婚をしている。説だからね、説だから、とりあえず、このバイオリンをあなたにお礼として渡す、バイオリンを渡す事が兄貴とした最後の約束、それを実現しに屋上に来ただけだから・・・)

屋上から立ち去る前に奏は言った・・・

(今晩は通夜、明日は葬式、良かったら参列をして、じゃ、帰る、学校は休みにしてたんだげどさ、兄貴との最後の約束を守りたかったから学校に来ただけだし・・・そしてありがとう、最後の最後に兄貴を元に戻してくれて・・・)

奏は、屋上から去った。

奏のありがとう・・・と言う言葉が、山田真美子のこころを癒す特効薬になったのか、なってないのか、それは誰にもわからない、ただ言える事は山田真美子の行為、嫌、好意が、音野響に生きたいと思う感情を復活させたのは間違いない、これから、山田真美子のこころを癒してくれるのは時の流れだろう。嫌、音野響のバイオリンかも知れない、何故、そう思うのか、それは、現在も山田真美子の部屋には、音野響のバイオリンが置いてあるからだ。

高校生の時の忘れる事が出来ない記憶を、また、今日も思いだしてしまった。(終わり)












人間の死に対して、本当にショックを受けた時は人間は泣くのも忘れる。

人間は誰しも死ぬ、こればかりは公平だ。

でも好きな人は、いつまでも生きると思ってしまう。

それだけに、そのショックは大きい。

兄の響の死が現実となってしまった妹の奏は、兄の響の死のショックから立ち直れるのか。

音野響が気になっている人から、恋愛感情に発展する途中で、白血病の病に倒れ死んでしまい、2度のショックを受けた山田真美子は、立ち直れるのか。

山田真美子が、音野響の通夜と葬式に参列をしたのか、それは、皆様のご要望があれば、その後を書きたいと思います。

ただ・・・言える事は、そのショックは乗り越えなければいけません。

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