1.ハジマリ
「―ターゲット確認。今から”排除”に移ります。」
ここは湊学園。
都内1の進学校であり、上流階級専門学校である。
そんな学校にある「生徒会特別執行部」。
これはその執行部に居る9人の男女と1人の少年の話である。
-理事長室-
「えぇ〜っと・・・倉石・・・う、うちゅう君?」
「違います。宇宙です」
僕、倉石宇宙は今
湊学園の理事長【湊 奏廻】と対談している。
「あぁ、宇宙くんね。ごめん、ごめん。」
中性的な顔つきの理事長は目を細めて笑った。
「いえ、大丈夫です・・・。あの・・・僕が此処に”連れてこられた”理由は・・・?」
「あぁ、それね。あっ、そんなに緊張して話さなくていいよー。リラックス、リラックス♪」
「はい・・・。」
僕はこのテンションの人は苦手だ・・・。
「ただ単純に”探し物のエキスパート”の噂を聞いて手伝って欲しいと思ってね。」
「手伝い・・・ですか?」
「うん♪お手伝い。実は僕にはね探しているものがあってね。
それがなんだかは教えられないんだけど…それを探すのを手伝って欲しいのさ。」
「1人でですか?」
「ううん。あと9人いるよ。さすがに世界中を1人で探すのは無理でしょ?」
・・・世界中を飛び回るの?まさかね・・・。
でもそうすると授業が・・・。
「あの・・・質問いいですか?」
「何かな?」
「授業はどうなるんですか?」
「免除。」
「・・・いいんですか?」
「うん。はいコレ、書いてね。」
・・・良いのか?理事長先生。
ん?この紙・・・。
「なんですか!!契約書って!?」
さっき渡された紙には【契約書】と書いてある。
「書いてある通りのものだよ。」
「えっ・・・?」
僕は【契約書】に目を落とす。
「このお手伝いに関するものさ。
”この事を他言しない”
”表にばれないようにする、ばらさない”
”命の保障はしない”
この3つを守りますか?って契約。」
理事長は顔に笑顔を浮かべたまま言うが、眼は笑っていなかった。
あの眼は・・・昔、みんなが僕を見ていた眼だった。
軽蔑した眼、人を人だと思わない眼、冷たく深い闇のような眼。
「ちなみにこの契約を拒否した場合は・・・。」
「拒否した場合は・・・?」
「君は此処で”死ぬ”ことになるだろうね。」
「・・・っ!!」
全身の血が凍りついた・・・。
「とにかく、その契約を呑めばいい訳さ。どうする?」
これでいいのかは分からない。
でも僕はまだ死ねない。
”あいつ”を見つけるまでは・・・。
「・・・分かりました・・。契約を呑みます・・・。」
「じゃあ、下のところに名前をかいてね。」
紙を見た理事長は満足そうにしてその紙を胸のポケットにしまった。
そして理事長は椅子から立ち上がった。
「それじゃあ、行こうか。」
「何処にですか?」
「君の仲間の許にだよ。」
そう言って理事長は優しく笑った。




