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爆縮と体温の機知(7)

仙人掌の神は

枯れ草が

風に飛ばされて行く

町の中にある田畑の脇道には

タイヤで踏まれた枯れ草が

路面の石に食い込み

べたりと貼り付いている

その上を蜻蛉が飛び回り

何も無い形から

何かを作ろうとしている

暑さに熱さで答え

厚さの無い物を見ようとはしない


猫の居る場所は少しだけ涼しい

毛皮の生き物に倣い

近い位置に座る

何か言いたげに首を向ける猫だが

それすらも面倒なのだろう

無駄なエネルギーだと

主張するように同じ形で横になった

もしくは

何かを納得したのか

少し考えようとしたが

面倒だったのでやめた

10分ほど休んでから立ち去った


太陽の下で死滅する命もあれば

どれだけ居ても

元気なままの命もある

仙人掌はいつの間にやら立派になり

他人を寄せ付けないほど

大きな棘が出来ている

あんなに小さかったのにという観照は

他生物には

どうでも良いことだ

鉢の植え替えをしなければならない

それだけの存在であり

それ以上を求めるほど

他生物に神は居ない

人間だけの道具は

道具として使えているのだろうか


欲望を操れず

自らの種を納得できずに

他生物へと求めては

個体として欲望を操れず

個体として納得できずに

別の個体へと求めているのである

我儘として生まれて

我儘として消えていくのが

唯一の生き方となっているのだろう

役に立たないから

神という道具を作れたのだ

自らが役に立つのであれば

神という道具は使えなくなる

変化を見ればそうであるのだ

神を道具にしない部分が

多くなれば多くなるほど

人は自らを納得する物であり

欲望を操れるようになるのである


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