5話 一縷の蜘蛛の糸すら
ブックマーク頂きました!!
更に評価までして頂きました!!
ありがとうございます//
文章力も5ptもいただいてとても嬉しいです。
自分では1ptあればいいなと思ってました(笑)
難しい漢字はおいおい使っていきたいと思います!
次の話も見ていただけると嬉しいです//
歩き出した俺は生い茂る木々の中、更に下るため繁茂した静かで薄暗い道を進む。聞こえる音といえば俺の足音と踏み倒す種々のザザッとした音。遅れて聞こえるザザッとした音。やまびこ的なのだろうか?
そのやまびこをわざわざ気にしている余裕は俺には無かった。
「これ大丈夫か?」「何も見つからなくてさっきの場所までもどれるか?」
冷静になろうと思えば思うほどその考えは強まってゆく。
更に疲れもあるだろうが焦慮ってきた。
海で素潜りして海面までの息が持つか不安になる気持ちと海面へ急いでるのに思うように進まないあの感覚に似ている。
更に一時間、また一時間足を前へ前へ運ぶが何も見つからない。
最悪の事態が起きた。ついに俺は体力の限界がきたのだ。俺は大きな木下にしゃがみこんだ。
虚しさと悔しさがこみ上げてくる。
「俺はこんなにも弱いのか。考えが甘かったのか」
山を舐めるなとよく言うが、それは重々承知していた。そして舐めていたつもりもない。元の世界で俺は富士山を1日で往復したり他の山を登っていたこともあり山には少し慣れていたつもりだった。だから無理に駆け足で山を降りなかったし体力の浪費を気遣ってきた。そして一番山登りで必要な水分のありがたさを知っていた。
だからこそ第1目的の全てに水の確保が伴っていた。
ぬかってしまったか。この森、この世界での俺は小さすぎる。もたれ掛かっているこの大きな木が俺を嘲笑してるように見えてきた。
「何もできないのか結局。」
辺りはすでに日が落ち出し、気温も共に落ちてきた。
「寒い。怖い。どうしたらいい。」
体が衰弱してきた。かなり危険な状況だ今すぐに何とかしてでもこの状況を打破しなければならない。そう思っていても体がゆうことを聞かない。そもそも動かない。
もう焦りは消えていた。
「これまでかな。」
よく主人公がいいそうなセリフが無意識にでた。
いろんな主人公や歴史の人物達は本当に"死"を確信した時に使っていたんだなと、ふと思った。
そんなしょうもない考えを最後に目を閉じてしまった。