~過去~団結
検討する。
その言葉信じ、みんなは胸を高鳴らせながら、文化祭の準備を始めた。
裏メンバーの子たちも、雄介の許可が下りたせいか、時折小さな争いは起こしながらも、他の子に混じって準備をし、中には積極的に動く子も出るようになった。
裏の子達の目も輝いていた。
こんな能学を私は知らない。
夢の華学園が創立した時以来だ…
と、早川先生たちが呟いていた。
みんなが1つになっている。
みんなが一緒に笑っている。
「にしても…」
雄介が窓から校庭を眺めながら、そう言いかける。
重たいような寂しいような、でも喜びの感情が全くないわけではない複雑な感情が放つ空気…
雄介がそんな空気を出す理由は、何となくわかっている。
「想像してなかった?」
私は雄介に優しくそう聞いた。
「わっかんねぇ」
雄介は頭を掻きながら呟くように答えて、それ以上文章を繋げることは無かった。
校内・校庭から飛び交う声に私たちは静かに耳を傾けた…
「そっちの看板曲がってるー!」
「先輩、これはどこに置けばいいですか?」
「なあ、ステージ発表の順番ってどうなってんだ?」
こんな時間がいつまでも続いたらいいのに…
ずっとこの景色を見ていたい。
その数日後、政府から正式な返事があった。
その内容は本当は予想していたはずのことだった。