天上大戦
初めまして。初執筆です。温めては放置を繰り返してきた作品です。
ネット等でタイトルや内容が被らない様、確認はしておりますが・・・。
乱筆乱文と微妙な文才ではありますが、何卒、温かい目で見守って頂ければ幸いです。
神の軍勢と反乱の天使の軍勢が戦った“天上大戦”。
最も神の御座に近く、最も神の寵愛を受け、最も輝きを放つ背中に十二枚の翼持つ熾天使ルシフェルは、その傲慢さ故に、愚かな地上種に膝を屈し頭を垂れるのを拒み、配下の六人の熾天使と天上界三分の二の天使を従えて神に対し叛旗を翻した。
限定的な力しか持たない名ばかりの神々の悉くを滅ぼし、暗雲で世界を覆い地上に星と稲妻を降らせて大地を砕き、海は荒れ狂い大地を飲み込んだ。
ある国は大地に飲まれ、またある国は海中に没し、それまで地上で築かれた文明を滅ぼし、全地上種の三分の二を死に至らしめた。
これに対し神の軍勢は、謙譲の大天使ミカエルを筆頭に四大天使とその配下が劣勢を挽回すべく、火花を散らして雄々しく戦い抵抗した。
七日七晩戦われた天上大戦は、数に勝る傲慢な熾天使の軍勢の勝利に終わるかに見えた。
だが予てより玉座を狙う六熾天使の裏切りによって、傲慢な熾天使は追放され、弱体化した反乱の天使の軍勢の悉くを神の軍勢が捕らえ、赤く燃え滾る溶岩の海と漆黒の空と陸が広がる地獄へと投げ落とし、追放する事で終結する。
一方、裏切られ傷つき地上の空に落ち延びた、十二枚の翼を持つ熾天使は未だ輝きを失わず、荒廃した大地を憂い、天上を睥睨し残された力を以って天上と地上を遮断し、その身を地下深くに隠した。
天使の戯れの中でも史上最も最悪にして未曽有の大天変地異の被害を被り、アフロディーテ、イシュタル、ラダの三大陸に残された地上種は、荒れ果てた大地より未だ低く垂れこめる暗雲から、筋状の光が差す新しい朝を迎えた。
それは神々と天使の介在による恩恵と、一部の種族を除いた魔法との決別の朝。
それぞれの種族が独自の進化と文明を築いていく出発の朝だった。
そして生き残った全ての地上種は、それぞれの言葉で声を聞いた。
「残された地上の民よ、生きよ。」と・・・。
残された地上種はこの日を“災厄”と称し後世に語り継ぎ、“復興”と言う名の長い旅路に就いた。