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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
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2-20 ヴァン・キ・ラーゴの崩壊

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 …反応は悪くないのよね。さっきだって上は見えてなかったと思うのに、ちゃんとヴァン・キ・ラーゴを避けたし…。危険を察知する能力もあるのよ。うん。

 リアは悪戯心を起こすとヴァン・キ・ラーゴに密かに指令を送った。ヴァン・キ・ラーゴは精神で感応する。

 リアの指令に応えてヴァン・キ・ラーゴが動いた。アルに向かって素早く両腕を突き出す。人では難しいモーションだった。腕の動きとともに手首の何もない場所から両刃の剣が伸びた。二本の剣の片方は肩口を、もう一方は脚を狙っていた。左右同時、上下で場所を変えた不意の攻撃だった。

「!」

 アルは光の剣を前面にかざした。同時に剣は形を変え、円形の盾となってヴァン・キ・ラーゴの攻撃を防いだ。

 ヴァン・キ・ラーゴの攻撃とアルの防御が拮抗したのも一瞬、アルは盾を広げて身を球形に包み込むと急速に右に離脱した。力のやり場を失ったヴァン・キ・ラーゴがわずかにバランスを崩す。ヴァン・キ・ラーゴの左側面に高速で移動したアルは、球形の光を解除すると再び剣に変えて突進した。

 ヴァン・キ・ラーゴは剣を横薙ぎにしてアルの攻撃に反応した。しかし、バランスを失っていたヴァン・キ・ラーゴの反撃は遅れ、アルの光剣の先端が横腹に刺さる方が早かった。アルの一撃によってヴァン・キ・ラーゴは動きを止め、次の瞬間急速に形を失った。それまでの硬質な線が歪んだかと思うと元の金属球に戻って床に落ちた。床と接した金属球は、澄んだ音を部屋に残した。ヴァン・キ・ラーゴの崩壊は訓練用のリアのプログラムだった。

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