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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
77/312

2-7 ヴァン・キ・ラーゴ

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「こいつが、ぼくの相手…」

 アルはわずかに眉を寄せて黒い穿刺体を見上げた。

 ヴァン・キ・ラーゴは上背があった。黒い金属様の体は艶があり、硬質な外見をしていた。金属の塊を多面に削ったような体は

厚い胸部と強靭そうな腰部を備えていた。同様に直線で構成された脚部が重量感のある胴体を支え、膝や足首の刃物のような関節が禍々しい印象を与えていた。広い肩は横に鋭く突き出ている。肩の下の腕も脚と同様の鋭い直線を描き、肘や指の関節もまた刃物のようだった。

 太い首の上に居座った頭はさらに凶悪な印象があった。鼻や口のない顔は平板で、眼球を持たない鋭い目が二つ並んでいた。尖って突き出た顎と目の間を直線が結ぶ仮面のごとき顔を凶悪にしているのは、頭の上の三本の角だった。首筋から伸び上がり、頭の上から角度を持って突き出た二本の角は大きな弧を描いて顔の前に鋭い切っ先を向けていた。もう一本の額の角は頭蓋そのもののような太さで額を尖らせ、角度を変えて先端を後方に突き出していた。

 リアが一歩前に出た。

「ヴァン・キ・ラーゴはあたしの思い通りに動いて疲れを知らない。訓練には最適の相手よ。まずはこの子に勝てるところまで強くなってもらうわ」

 リアは目を細めてアルを見やった。『ヴァン・キ・ラーゴ』。古の言葉で黒く輝く兵士という意味だった。

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