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1-15 新たな決意
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
あたしの仕事はアルを魔王にすること。そのために必要なら、示された好意も跳ね除ける。嫌われるなら、それも役割の一つだ。
調制士としての決意を新たにしていた。
どんな相手でも選んだからには制してみせる。…そう。それがたとえ魔族らしからぬ魔族であっても。
リアは横にいるアルを見やった。
「? 何?」
「何でもない」
ぞんざいに答え、リアは歩き去るドロスたちの背中を見送った。
「さて、昼までにはまだ間があるわね」
これからどう時間を使おうかと思っていると、また声がかかった。
「リーゼリア・バザム」
今度は、あたしか。
思考に気を奪われていたリアは聞き慣れた声に気づかなかった。