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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
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1-11 ドロスの謝罪

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「どうした? 何か不都合でもあるかな?」

 返事をしなかったためにドロスが問いを重ねた。笑みは絶やしていない。

 アルに目をやるとドロスを仰いで立っていた。落ち着かない目元は怯えているように感じられた。

 リアは鼻から小さく息を抜いた。

 …まあ、後ろに隠れなかっただけ良しとしましょ。

 胸を張ると敢然とドロスを見上げた。

「何か、ご用? ドロス・ゴズン」

 声には険しさが混ざっていた。相手が望むなら闘争も辞さないつもりだった。昨日との違いは人数のみ。アルの状態に不足があってもカバーできる自信がリアにはあった。

 式典の最中、壁際にいた警護員を一瞥する。今も同じ姿勢で立っている。仮に衝突しても大事にはならないはずだった。

 好意的とは言いがたいリアの対応にもかかわらず、ドロスは笑った。

「そう尖るな、リーゼリア・バザム。おまえたちと争うために声をかけたわけではない。昨日の非礼を詫びにきたのだ」

「詫び?」

「そうだ。本来ならアルカシャ殿から詫びるべきだが、この際だ。女性種であるリーゼリア殿を先にしても失礼には当たるまい」

 言うと、ドロスはリアの返事も待たずに跪いた。

「昨日の無礼、どうか許されたい」

 左手を体の脇につけ、拳を握った右手を胸に当てて深々とこうべを垂れた。元々の巨体のために跪いてなお高みからとはいえ、儀礼に則った謝罪だった。

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