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魔王になるには?  作者: 水原慎
第一章 邂逅
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3-17 話しておかないといけないこと

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「…もう一つ、話しておかないといけないことがあるわね」

「?」

 レガートのことだった。アルと組むためには曖昧にしておけない事柄だった。

「文礼室に行く前に追いかけてきた男性種がいたでしょ?」

「…レガート、って呼んでたね」

「そう。彼のことよ」

「お互いに知ってるみたいだったけど…」

「そうね。だって、レガートとは出身が同じだもの。父と旧知の貴族の息子で、幼い時から知ってる。…どんな考え方をして、どんな行動を常としているか。どんなものが好きか…。たいていのことなら分かるわ」

 そこまで言って、リアは目を伏せた。

「…恋人だったの?」

 アルの言葉にリアはかぶりを振った。

「恋人とは違うわ。お互いに愛を囁いたことなんてないもの。…そうね。何て言えばいいのか、自分でも分からないわ。確かなのは、あなたと出会うまでは一番近しくて、一番大事な男性種だったことだけ」

 言って、リアは視線を外した。

「…そして、あたしは、自分の目的のためにそんな人を捨てたの」

 二人の間に沈黙が訪れた。

 ややあって、リアはアルを見つめた。

「軽蔑する?」

 アルは首を横に振ることで答えた。

「ありがとう」

 静かにリアは微笑った。アルの答えが慰めになっていた。仮に本心と違っていたとしても嬉しかった。

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