4-14 荷物が減ってよかった
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
作業を終えると、リアは破片を廃棄した。洞窟は見かけよりも人工的な造りをしており、休息や排泄に適した場所がいくつかあった。リアは狭い窪みの一つを選んだ。
窪みから出るとアルが言った。
「よかったね、リア」
「?」
「荷物が減ったよ」
一瞬呆気に取られたリアは、笑ってアルの腕を横から叩いた。
「もう。アルってば、楽観的過ぎ」
「そうかな?」
「そうよ」
二人は、明るく話しながら先へ進み、最初の睡眠を取ることに決めた。時折見かける大きめの窪みに並んで身を落ち着け、ランプを消した。
目を閉じながら、リアは現状を思い返していた。
洞窟は扉で区切られている他は一本道だった。曲がりくねって方向も定かではなく、位置まで分からなくなっていた。残りの行程も相変わらず不明だ。先の見通せない状況は人を不安に陥れる。リアは心の中で勢力を増そうとする黒い影を押さえつけた。幸いなのは分岐していないことだった。
二時間の間隔があるため、他のペアとは出会っていない。順調に行程をこなしているらしく、リアたちに干渉する様子はなかった。先行する二組は、そこまでは短絡的ではないようだった。禁止事項でもあり、このような場所でやり合えば生き埋めになるのは目に見えていた。
考えている内に、リアは眠りに落ちていた。