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魔王になるには?  作者: 水原慎
第四章 決着
298/312

4-13 全部、あたしのせい

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 深く息を吐き、リアは容器の破片をザックの中から取り除き始めた。アルが膝をついた。

「…やっと、ぼくにも分かってきたよ。最終試練は、リアのことも試してるんだね」

「その通りだとあたしも思うわ」

 作業を続けながらリアは言った。

「ごめんなさい」

 謝罪の言葉は苦かった。

「水が割れたことを謝ってるの?」

「それもあるけど…。求法院の意図を見抜けなかった時点で半分負けてるわ。全部、あたしのせい。…だから、ごめんなさい」

 リアはうなだれて手を止めた。

「それは違うよ、リア」

「?」

 リアはアルの言葉に顔を上げた。

「求法院の意図を見抜く必要ならぼくにもあった。魔王になるのはぼくだから、自分の力を磨けばいいんだと思い込んでた。最終試練がこんな形になるなんて思ってもみなかったよ。だから、リアのせいだけじゃないよ」

 アルの表情は明るかった。

 不思議な感覚をリアは味わっていた。身を浸していた情けない思いが溶けるように消えていく。まるでアルの言葉が光になり、闇を払っていくかのようだった。

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