4-11 調制士もまた
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
調制士に負担を課すのは意図された行為だった。最終試練では、調制士もまた試されていた。
魔王の後継者を選出する儀式、しかもそのためのプログラムとなれば、胞奇子を鍛えようとするのは当たり前だった。先入観に支配されて、どのような調制士もそのことしか考えないはずだった。
リアの場合、アルに相転儀の素養がないことも影響していた。余計にアルの鍛錬しか考えられなかったのだ。
最終試練は、調制士のことも周到に考慮に入れた者が対応できる仕組みになっていた。求法院の企てがなくとも、胞奇子と調制士は一体と言ってもいい存在だ。となれば、当然のように考えるべき事態ではあった。
試練を突破して、調制士としての力を示してやればいい。
リアは思っていた。
確信があった。カザイラもナヤカも最終試練には対応できなかったはずだ。彼女たちのパートナーは強力だった。強力であるがゆえに、彼女たちは自らの役割に忠実だった。リアと同じ落とし穴にはまっていたに違いなかった。フェニアやルルカも同様だ。
自分がきつい時には、相手もきついのだ。
言い聞かせて、リアは心を奮い立たせた。