4-6 最終試練の始まり
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
翌日の最終試練は朝早くから始まった。
残った三組のペアは、朝日が昇り始める時刻に無理矢理起こされた。文礼員に指示を受け、制服姿で向かった闘技場には一人の人物が待っていた。
求法院院長、セダーグ・ダズニウだった。最終試練は院長手ずから実施するようだった。
傍らには人数分のザックが用意されており、一人に一つ分配されて指示が与えられた。
闘技場を出発点として森の中にある洞窟に入り、踏破すること。到着地点にある目標物に魔力を注ぎ込み、合図を送ること。各々のペアは時間をずらして出発し、より短い時間で潜り抜けた組を最終試練の通過者とすることだった。細かい指示はザックの中にあり、出発後の確認指示と忍耐力などの精神面を量るという最終試練の目的も付け加えられた。
そう来たか。
リアは率直な感想を浮かべた。
決して意外な内容ではなかった。魔王を目指す者には精神的な強靭さも必要だったからだ。それにしても、ここまで前面に押し出されるとは思っていなかった。相転儀の力については王選びの過程で既に計測済みということかもしれない、とリアは思った。
それはそうと…。
横目でリアは他のペアを窺った。
三組のペアは、院長から見て右に胞奇子、左に調制士の順で並んでいた。アルとリアのペアは右端で、ガルカとルルカのペアが中央、ゾグナとフェニアのペアが左端だった。