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魔王になるには?  作者: 水原慎
第四章 決着
281/312

3-8 何もかも真逆

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 表情を緩めたリアはカザイラと向き合った。深く息を吐き出すと険しい顔つきを取り戻した。

鋭くカザイラを見据えた。

 視線の先でカザイラが左手を伸ばし、反らせた五指の中から薬指の爪を右手で剥いだ。カザイラは顔色一つ変えなかった。

 …相変わらず、嫌な戦闘準備ね。

 以前にも見たことのあるカザイラの行為に、リアは心の中で呟きを洩らした。見たことがあるだけで、真正面からやり合うのはお互い始めてだ。未知の死闘を前にリアは心が引き締まるのを覚えた。

 カザイラが弾くようにして爪を手前に投げた。爪は空中で形を変え、人型を形作った。カザイラの穿刺体だった。

 白い穿刺体はヴァン・キ・ラーゴと同等の背丈をしていた。曲線で構成された穿刺体は白く艶やかで滑らかな外見をしていた。

 流線型をした顔に鼻や口は無く、眼球のない鋭い目が二つあった。額からは昆虫の触覚のように一筋の細い角が後方に向かって伸びている。胴体には左右に分かれて段を作った盛り上がりがあり、腹部から大きさを増しながら胸までを覆っていた。関節部の太いくびれた腕には、右手の甲に先端の湾曲した剣を携え、左手の甲には大きな円形の盾があった。巨体を支える脚もくびれを示し、腕と同じく太く滑らかな関節部を持っていた。

 何もかも真逆だ。

 皮肉な笑みをリアは洩らした。生まれついて正反対な指向を持つ者。それがリアとカザイラだった。

 リアは左の髪飾りに触ると、ヴァン・キ・ラーゴを生成して前面に立てた。右手の甲には両刃の剣を、左手には縦に長い方形の盾を持たせた。

 白く艶めく穿刺体と黒く輝く穿刺体が相対した。

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