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魔王になるには?  作者: 水原慎
第四章 決着
277/312

3-4 敵対した者の無念

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 訓練を早めに切り上げたアルとリアは中庭を歩いていた。

 せっかくなので食堂でお茶でも飲もうというつもりだった。結果としてペアも三組まで絞られ、込む恐れはなかった。

 春の日差しは晴れやかだった。二人が歩く石畳の横を彩る花壇の花も華やいで見えた。時間も早く、他に人の姿は見えない。

 横を歩くアルの胸元に目を留めたリアが訊いた。

「スカーフ、本当にそのままでいいの?」

 アルの身につけているスカーフは、決闘でレガートが差し出したものだった。本来はレガートの持ち物だ。

 スカーフは色も形も同じであり、個体を識別する相転儀も埋め込まれていない。他の参加者のスカーフを着用しても支障はなかった。リアの質問は、多分に気持ちの問題だった。

「いいんだ」

 アルの返答は明快だった。

「レガートも魔王を目指した人間だからね。せめて、スカーフだけでも持っていこうかと思って」

 かすかな苦笑をリアは浮かべた。

 友だけでなく、敵対した者の無念をも連れ立って階段を昇るつもりか。

 アルらしい、とリアは思った。

 声がかかったのは、そんなやり取りをしている時だった。

「―リーゼリア・バザム」

 この声はっ!

 会話に関連した事柄だったためだろう。すぐに気づいて振り返った。

 カザイラ・ベーマだった。

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